chouette torréfacteur laboratoire

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2017

08/08

コーヒーの焙煎 Vol.1【方法・温度・時間】

コーヒーを焙煎するという事

 

 
みなさん夏バテしていませんか?

今年の夏は、比較的過ごしやすい暑さですね。私は健康そのものでございます。

 

それでもムシムシして暑いなぁと思うこの頃です。

本日は台風が日本列島を直撃。被害が少ない事を祈るばかりです。

 

コーヒー豆を焙煎された事がある方ならご存知かもしれません。夏の焙煎はものすごく暑いんです。それこそ汗だくになります。

焙煎機は作りは結構単純で、バーナーを熱源にしてコーヒー豆を熱し焙煎するわけです。

火のすぐそばでの作業なので、ものすごい暑いのです。

 

chouette torréfacteur laboratoireでは毎日、コーヒー豆を焙煎します。

大量に焙煎せず、コーヒー豆を休ませる期間も計算に入れながら丁寧に少量づつ焙煎します。

なので、「毎日必要な分だけ」が基本です。

 

コーヒーや焙煎についてはまだまだ経験が浅いので偉そうな事は言えませんが、chouette torréfacteur laboratoireのフィロソフィーを踏まえ考えている事を伝えたいと思います。

 

 

なぜコーヒーは焙煎するの?

 

 
なぜコーヒーは焙煎が必要なのでしょうか?

 

焙煎(ロースト)とは、コーヒーの生豆を炒る加熱作業のことです。

コーヒーチェリーを収穫し、果肉部分を取り除いた種の部分が生豆です。

果肉の付いたコーヒーチェリーを口に入れると何とも言えない独特の香りが・・・。

あまり美味しくはないです。完熟したコーヒーチェリーは非常に甘いです。

そのままでは残念ですが、あまり美味しくないのです。

昔は薬として飲まれていたらしいですが、今では嗜好品としてコーヒーを楽しむ方がほとんどですよね。

なので、良い香りや美味しいと感じる事が必要になるんです。

コーヒーチェリーとコーヒーの生豆

 

収穫・精製された生豆は淡緑色をしており、味も香ばしさもほとんどなく、この状態では飲むことはできません。

焙煎が進むと豆は茶褐色、さらに黒褐色へと変化していきます。

焙煎によって、豆に含まれる成分が化学変化を起こし、揮発性の素晴らしい香りや、苦味、酸味、甘味といったコーヒー独特の風味が生まれます。

コーヒー生豆と焙煎豆

左が生豆 右が焙煎後

 

コーヒーの生豆を焙煎する事でコーヒーは香りや味を変化させ、美味しい1杯になっていくのです。

 

 

ここからは焙煎する時に重要な項目を一つ一つ考えていきます。

 

 

焙煎の方法

 

 
さあ焙煎を始めましょう。

コーヒーを焙煎するといってもひとくくりには出来ません。

エチオピアでは今でもお客様を持て成すのに、「コーヒー・セレモニー」というものがあります。

日本でも茶道といった持て成す心に通じる物がありますね。

コーヒーを飲むのが伝統的な習慣であるエチオピア。

日本の茶道のように、コーヒーを飲むこと自体を儀式としたのが「コーヒー・セレモニー」と呼ばれる作法です。この習慣は、客人をコーヒーでおもてなしするために、淹れ方に独特のルールがあります。なんと、コーヒー豆を水で洗うことから始まり、きれいになったコーヒー豆を炒って粉状にし、それからコーヒーを淹れるのです。生の豆から始めて、コーヒーを3杯淹れるのが作法のコーヒー・セレモニーは、2~3時間かかるのが当たり前。時間をかけてゆっくりとコーヒーの美味しさとゲストとの会話を楽しむのです。

独自の作法をもって客人をもてなすのは日本の茶道と変わりありませんが、コーヒー・セレモニーとの違いは、主に女性が執り行うところ。そしてセレモニー中は世間話をしながら賑やかに楽しむところも大きな違いと言えるでしょう。
コーヒー・セレモニー中はお香が焚かれ、おつまみとして小麦でできたパンやポップコーンなどが出されます。このあたりも香を焚いてお茶菓子を出す日本の茶道によく似ています。日本から遠く離れたアフリカの国にも、身近な飲み物を作法として嗜む風習があるのですね。

この場合は大きな鍋でコーヒー豆を煎ります。

コーヒー・セレモニーでコーヒー豆を煎る

 

お家で焙煎をされる方に多いのが、ガス台の上で手網焙煎をされる方。

手網焙煎

煙も出て、火災警報機が何度もなってしまうという体験談をよく耳にします。

火加減が難しいですね。

 

 

業務用焙煎機

大きいため家庭には向きませんが、コーヒーを焙煎する為に作られていますのでこれが一番安定して美味しいコーヒーに仕上がります。

GIESEN焙煎機

ここでも焙煎方法によって、いくつか種類が分かれます。

 

・直火式焙煎機

・半熱風式焙煎機

・熱風式焙煎機

 

この3種類に分かれます。

 

直火式焙煎機の特徴

直火式は、豆を入れる回転ドラムの胴体がパンチングメッシュとなっており穴がたくさん空いています。熱源のバーナーはドラム直下にあり、パンチングメッシュからの入り込む対流熱(炎や熱風)、加熱されたドラムからの伝導熱、釜全体からの輻射熱によって豆へカロリーが供給されます。

直火式の特徴的な部分はパンチングメッシュから炎や熱風が最短距離で直接豆に当ることです。

1500℃近くになる炎の外炎部を豆に向けるためシリンダー内での豆への熱供給が他の形式に比べると極端になりやすいですが、それがメリハリのある独特の香味を作り出すことがあります。

またドラムのパンチングメッシュから珈琲豆のチャフ(薄皮)が剥れ落ちてバーナーの炎に触れて燃えることによる燻りが香味の一要因になることがあります。(直火式=ちょっかしき)と業界では読みます。

最近ではバーナーをドラムから遠ざけて豆に直接火が当らないように改造している焙煎機も多く見られるようになり直火式の進化形の一つであると思います。この場合、熱効率が低下するのでバーナーの増強を並行して行うケースが多く見られます。

 

半熱風式焙煎機の特徴

半熱風式と直火式の構造の違いは、回転ドラムの胴体がパンチングメッシュなのか鉄板なのかの違いです。半熱風式は構造上チャフ(薄皮)がバーナーの炎の上に落ちることはなく排気によって排出されます。クリーンさがあり酸味も引き立ちやすくスペシャルティコーヒーの焙煎では現在一番多く使用されている形式と思われます。半熱風式はドラム直下のバーナーにより暖められた熱風を一方向に向かって(ドラムの軸に沿って)豆に当てるために、対流熱によるカロリー供給は直火式よ安定してきます。

半熱風式はドラムから豆ヘ伝わる伝導熱が直火や熱風よりも多く、このドラム熱をどのように使うかによっても焙煎の幅が生まれます。ここが半熱風の面白さだと思います。ドラムの鉄板の厚みを増やして蓄熱性を高めたり、ドラムの周囲に遠赤外線を発生させる仕組みを付加したり、逆にドラム構造を二重にして豆が触れるドラムに直接バーナーの炎が当たらないようにし伝導熱を抑える二重ドラム(ダブルドラム)と呼ばれるタイプもあります。二重ドラムの場合は熱風式に近い構造となります。

 

熱風式焙煎機の特徴

熱風式は、バーナーの位置がドラム直下ではなくドラムと切り離した外部にあります。外部のバーナーによる熱風をドラムに送り込み加熱するので、直火や半熱風に比べドラムからの伝導熱の影響が少なく熱風の温度や風量を調整することにより豆へのカロリー供給をコントロールしています。

熱風式は構造的な自由度が高く大きさや形も様々です。ドラムも横置きでは無く縦型もあり、縦型では豆を攪拌するフィンが無く熱風の勢いで攪拌させるタイプもあります。また大型の熱風焙煎機では一度排出した熱風を再循環させてエネルギーコストを節約するタイプもあります。

熱風式は強い熱風で超短時間で焙煎することも可能であり、逆にじっくり長時間焙煎することも可能です。焙煎の自由度が高くロースターの価値観で使い方がより大きく変わってくるのも熱風式の特徴です。相対的に直火や半熱風の味に比べ、あっさりとした味わいに感じられることがあります。スペシャルティコーヒーの焙煎で熱風式を使われることが多くなってきました。今後に注目です。

 

ちなみにchouette torréfacteur laboratoireの焙煎機は半熱風式焙煎機です。

 

正直、ロースターの好みが出る部分ではあります。

当店で使用しているGIESENの焙煎機は半熱風式ですが、排気量やドラムの回転数をコントロールできます。

直火式のような強い味わいの焙煎や熱風式のようなあっさりとした仕上りにコントロールする事が可能です。

 

 

焙煎の温度

 

 
焙煎方法については、自由に変えられる人は少ないと思います。

コーヒーの焙煎方法はそこまで多くはなく、業務用になれば費用や環境といった事から簡単に後から変更が利きません。

 

それに比べると「温度」という事に焦点を当てると、すべての焙煎方法で変更が容易に出来る焙煎プロセスの1つです。

 

一般的に計測されるのはこの5つでしょうか?

・投入温度

・中点(焙煎中で1番低い温度)

・1ハゼの温度

・2ハゼの温度

・終了時の温度

細かく見る方は焙煎プロセス中で中点から1ハゼの間や1ハゼ終了時の温度も計測します。

 

このように焙煎中の1つ1つのプロセスを何度の時点で行うかを温度で測る作業が焙煎中の温度管理です。

これによって得られる事は「この温度でコーヒー豆が変化したという情報」です。

この情報は一般的にあまり公開されません。

焙煎環境や焙煎方法,コーヒー豆,天気,気温といった気象条件でも変化してしまうからです。

何度も焙煎を繰り返し、情報を蓄積し、条件に合った焙煎プロセスを選べなくては毎日同じように美味しいコーヒーを焙煎できません。

 

この理論でいうと、老舗の大手コーヒーメーカーさんには一生敵わないのでは?ということになってしまいます。

 

chouette torréfacteur laboratoireの考える焙煎プロセスで温度によるアプローチの仕方は一般のそれとは違います。

焙煎プロファイルを決めてから毎日の焙煎を行うのは、過去の美味しいかった焙煎プロファイルを再現するといったアプローチの仕方です。

 

私達は今、目の前で焙煎しているコーヒー豆に対してベストなアプローチを行う温度管理を徹底しています。同じコーヒー豆でも昨日と今日では同じ焙煎が出来るわけではありません。気象条件や焙煎環境は刻一刻と変化します。

目の前にある素材に対して最高の状態を再現してあげましょう。

 

ここでchouette torréfacteur laboratoireの焙煎中の温度についてお話しします。

全てをブログ上でお話しできないのが心苦しいですが、オープンから言い続けているのが「低温焙煎」をする事です。

 

 

初心者の方は、まずはこちらから焙煎について学んでください。

【初心者-必見-】コーヒー焙煎 基本編

 

 

これを言うと大抵の方は驚かれるのですが、早いコーヒー豆だと150℃を過ぎると1ハゼが始まります。

なぜこんなに温度低いのか?

それは素材の持つ香り成分を逃さないようにする為です。

香り成分というのは揮発性の物です。焙煎中は強い熱エネルギーにさらされる事で化学変化が起こり、コーヒーの持つ香り成分が発生します。強い熱エネルギー中ではこの成分がどんどんと飛んでいってしまうのです。

もちろんすぐに無くなるわけではないのですが。

なので特に最近のサードウェーブといったコーヒー焙煎の傾向は、浅煎りになり焙煎時間を短くする事で焙煎によって生まれる香りの減少を少なくし、コーヒー豆の持つ香りを活かしていますね。(これについては以下の時間のカテゴリーで再度書きたいと思います。)

 

コーヒーを強い熱量に晒す事でストレスをかける事になります。

ストレスは本来の味や香りの発生の妨げになります。コーヒーのキャラクターを表現する際に、これは非常に大きな問題です。

ブレンドといった方法でバランスを取る楽しみ方と違い、キャラクターを楽しむシングルオリジンのコーヒーは長所も短所も出てくる事は当然です。

完璧な個体は存在しない物です。それを楽しむのもシングルオリジンの楽しみ方ですから。

短所とされていた部分を個性として表現できるのはシングルオリジンだから出来るのです。

 

例えばですが、磯の物を食べた時に磯の香りがしなくてはいけません。鴨を食べれば鴨の味がしなくてはいけないのです。

もちろん、磯の香りが苦手な人や鴨の血の香りが苦手な人もいるでしょう。

それでもその香りは素材の持っている個性であり美味しさの要因なのです。

それを消してしまう事は素材への冒涜でもあります。

 

私達が低温でコーヒーを焙煎するのは、素材へ尊敬の念を持ってアプローチしているからです。

そうすると必ず、コーヒーは真っ直ぐに答えてくれます。

 

温度についてもっと詳しく

 

 

焙煎の時間

 

 
サードウェーブといった浅煎りのコーヒー豆をメインに扱うお店では短時間での焙煎を行う事が多いです。

短時間というと7~9分くらいになります。

短時間にする事で、ローストを抑え香りを保持しているんですね。

 

一般的にはローストカラーによって焙煎時間も変わってきます。

浅煎りなほど焙煎時間は短く、深煎りなほど焙煎時間は長いです。

当然と言えば当然ですが、深く焙煎する為にはそれだけ多くの時間を使って熱エネルギーを加えるという事になります。

浅煎りなほど酸味が際立ち苦みはありません。深煎りになるほど酸味は無くなり苦みが増していきます。

これが意味する事は、酸味はコーヒーが本来持っている1つの味の要因という事です。

それを活かすのか無くすのかは、焙煎する人の考えで決まってきます。

 

chouette torréfacteur laboratoireには苦いコーヒーはありません。

理由は、素材本来の味を引き出す焙煎をしているからです。もともと持っている酸味を取り去ることはしません。

ただ全てが浅煎りのコーヒー豆だけを扱っているわけではありません。

深くても中煎り程度のローストカラーです。

 

焙煎時間の話に戻します。

私達が行う焙煎は低温で行う事は先にお話しました。

では、時間はどうなのでしょう。

熱エネルギーによってコーヒー豆は化学変化を起こしますが、焙煎時間は「化学変化が終了し、本来の香りが引き出された時」が終了の合図です。

コーヒー豆にもよるのですが、ほとんどのコーヒー豆が9分から10分ほどで焙煎は終了します。
2023年11月時点では8分~8分半ほどです。

「少し長いんじゃない?」と思われましたでしょうか。

 

低温で焙煎しているため、どうしてもこれだけの時間を要します。

しかし、一般的に見ると決して長過ぎる焙煎時間ではありません。

 

この焙煎時間の差はコーヒーにどういった影響を及ぼすのか考えてみましょう。

同じ焙煎方法、同じ焙煎温度(投入温度〜焙煎終了)で焙煎時間だけを変えてみましょう。

すると味の違いは明確になります。

 

短時間で焙煎した場合、味の輪郭がはっきりしますがあっさりとした印象に。

長時間で焙煎した場合、味がマイルドになりますが、ボヤッとした印象に。

 

焙煎時間だけでも、味の印象が変化します。

 

あえてカテゴリー分けして進めて来ましたが、焙煎温度と焙煎時間を合わせて考えると複雑さが増してしまいます。

例えば、焙煎時間を短くしたいから焙煎温度を上げるとします。

すると当然ながら焙煎プロファイルが変わります。今まで変化の起こっていた温度帯でコーヒー豆が変化しないといった現象が起こります。

これはほとんどの人が通ると思うのですが、コーヒー豆に私達の都合を押し付けているから起こります。

 

コーヒー豆が自然と変化出来る状態を作る事が「低温焙煎による温度管理」。

変化の終了を見極める事が「時間の管理」。

chouette torréfacteur laboratoireでは、そう位置づけて毎日焙煎しています。

 

焙煎時間についてもっと詳しく

 

最後に

 

 
私達のコーヒーに対する想いや接し方を踏まえて、ここまで書いてきました。

もっと細かい部分になるとマニアック過ぎて書いておりませんが。笑

長くなりましたが、最後まで読んで頂きましてありがとうございます。

これを読んで頂く方は既にコーヒーに対して興味をお持ちの方だと思います。これを読んでもっとコーヒーに興味を持って頂けたらうれしいです。

 

店舗までお問い合わせ頂いても構いません。

当店はCoffee loversを歓迎します。

 

焙煎についてのブログはこちらにまとめております。よろしければ。

【How to roast】

 

 

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