chouette torréfacteur laboratoire

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2018

01/14

コーヒーらしさとは?−どうすれば素材の美味しさを表現できるのか?−

chouetteが考えるコーヒーらしさ

両手で持ったコーヒーカップ

 

 
突然ですが、コーヒーの香りを思い出せますか?

 

コーヒーを紹介するメディアでは、「個性を活かした」とか「フルーティな酸味」といった表現が美味しさを表す言葉としてよく使われます。そもそも、コーヒーの風味とはどのようなものを指すのでしょうか?

 

コーヒーはコーヒーの木に実る果実(コーヒーチェリー)の種子に当たります。収穫,精製され乾燥させた後、焙煎して抽出すると見慣れたコーヒーになり飲む事ができます。コーヒーの味や香りは種植えからカップに注ぐ工程のすべてが関係しています。

コーヒーチェリーとコーヒーの生豆

 

人が口に入れた食物を目をつぶって判断するとき、嗅覚が非常に大きく関わってきます。コーヒーの生豆が持つ香気成分は約100程度です。焙煎によってその数が10倍の1000程度まで膨れ上がります。1カップに含まれる香気成分の数がおよそ300。それでもコーヒーが持つ香りの力を実感するには十分な量です。焙煎がコーヒーの味の大半を決めると言われる所以はこの事からもわかります。特にコーヒーらしいと感じさせる香気成分がフルフリチオールです。これは、コーヒーの香りのする人工甘味料等に使用されます。

 

1000もの香気成分が複雑に重なりあって、鼻孔を刺激するのですからコーヒーの香りが記憶に残るのも頷けます。このコーヒーらしさを司る香気成分をできるだけ多く引き出す事がよりコーヒーらしいコーヒーと言えるでしょう。

 

 

コーヒーらしい香りを引き出すために

クロップスター

 

 
chouetteでは、「低温焙煎」を提唱しています。

 

 

【chouetteの焙煎について−参照−】

 

 

焙煎によって香気成分の量は格段に膨れ上がりますが、加熱を続けると同時に熱エネルギーによってもともと存在していた香気成分が失われていきます。

 

これは、コーヒー豆がもともと持っていた香りが焙煎が進むにつれて焙煎で付けられた香りに変化する事を指しています。せっかくですから素材の持ち味をそのまま味わいたいですよね。そして、その持ち味こそが本当のコーヒーの香りとなります。これを失わせずに焙煎によって香気成分を膨らます事ができれば、より複雑な風味のコーヒーができるはずです。

 

焙煎中の化学変化で香気成分が生まれて、一定以上の温度に達すれば失われます。1番コーヒーの持ち味を引き出せた瞬間とは最も香気成分が多く存在する瞬間です。大事なのはコーヒーに変化を起こさせ、かつ温度を上げすぎない焙煎をする事です。

 

chouetteの焙煎は「低温焙煎」です。豆によるものや焙煎機による個体差はもちろんありますが、150℃〜158℃でコーヒー豆の変化が起こります。専門的な用語で言うと1ハゼです。ごく一般的には、180℃前後が1ハゼの目安ですからかなり低い事になります。

 

これだけ低い温度だと色はあまりつきません。ですが確実に化学変化を起こしていますので、香気成分が発生しやすい状態まで持っていく事ができます。一般的に1ハゼを終えて2ハゼに移行していく過程で香りはフルーティなものからスモーキーに変化し、味わいも爽やかな酸味から滑らかな甘さを増していきます。

 

温度が高くなれば、フルーティな香りは飛んでしまう。豆の変化が乏しければ、派手派手しい酸味が際立ってしまう。

 

ロースターによっては、急激な温度変化と短時間の焙煎で酸味を際立たせたりもします。深めに焙煎する事でスモーキーな香りを付けたりもします。どちらにも言えるのは、人によって作られた味だと言う事です。chouetteでは、それを良しとしません。焙煎する事は身体に吸収しやすい状態にコーヒーを変化させるだけであって、作り替える事ではありません。コーヒー豆にストレスを与えず焙煎すれば、コーヒー豆が1番良い状態の時に変化を始めます。焙煎する工程で人が手を加え過ぎれば、ストレスにより変化が遅れていきます。

 

低い温度で変化が始まるとその後の煎り止めまでの時間を多く取れる事になります。これこそが低温焙煎の利点です。最近取り扱うお店が多いライトローストでは、しっかりとコーヒーの果実らしい甘酸っぱさや華やかさを残しつつ、滑らかな質感や甘さを引き出すことができます。つまり風味の幅が広いのです。

コーヒー豆を冷却中

 

抽出についても同じ事が言えます。簡単に言えば「余計な事はしない。」です。

今回は例として、ご家庭だけでなくお店でも取り扱いの多いペーパードリップ。お店によって様々な方法があります。お客様にも良く質問されるのですが、難しく考えない方が良い場合が多いです。

 

ペーパードリップは、ペーパーフィルターでコーヒー粉から抽出された液体を漉した飲み物です。

 

ですので、途中の過程をこだわるあまり本質を見落としがちになりますが、コーヒーがお湯に抽出された状態を作りそれをペーパーフィルターで漉せば良いのです。

 

 

chouetteのペーパードリップレシピ

 

 
・コーヒー粉(中挽き)  18g

*今回の使用コーヒー豆は“グアテマラ ジュヌイン アンティグア ジャスミンプロジェクト”です。

・お湯(83℃)     240g

 

chouetteではカリタ ウェーブを使用しています。

1.初めにドリッパーにペーパーフィルターをセットし、お湯を注ぎ溜まったお湯は捨てます。フィルターをすすぐ目的とドリッパーとサーバーを温めておく目的があります。

ペーパードリップの準備

2.コーヒーをドリップ直前に挽いてフィルターの入れ、軽く揺すって平にならします。

コーヒーをセット

3.コーヒーにお湯を注ぎ入れます。中心から外側へ広げるように全体にかけましょう。中心部分だけに偏ったり、コーヒー粉の外側までかけないように注意しましょう。あくまでもお湯を全体に行き渡らせる事が目的です。30秒ほど置いて蒸らしを終えます。

蒸らし開始

4.抽出はお湯を入れすぎてドリッパー内の水かさが増えすぎたり、慎重になりすぎて抽出が遅くなりすぎないようにしましょう。コーヒー豆はお湯をかけると膨らみます。水分が多い浅煎りのコーヒー豆は膨らみづらいですが、そこをラインとしてお湯を注ぎましょう。

抽出開始

複数回に分けて注がず、中心に向かって静かに注ぎ続けます。蒸らしの時点で決まったラインに忠実に、早すぎず遅すぎず注ぎ続けます。240gのお湯を注ぎ終えたら終了です。ドリッパー内のコーヒーは最後まで落とし切って下さい。抽出の終了時間(目安として1分30秒〜2分30秒程度)は決めずにコーヒーに合わせてあげて下さい。

*注ぎ続けるのが難しい時は注ぎを数回に分けても構いません。ドリッパー内にお湯がある状態をキープして下さい。

抽出終了

 

ペーパードリップの難しいところは、コーヒーの抽出とコーヒーの湯切り(抽出の終了)が常に同時に行われている事です。コーヒーにお湯を注げば抽出が始まりますが、同時に抽出の終了時間もコントロールするのですから難しい方法です。ですが、やっている事は単純で注意をしながらコーヒーにまっすぐお湯を注ぐだけです。

途中の工程で、たくさんの注意点を設けるのは作業としてもスマートではありません。さらに、手を加えれば雑味が出る危険性が増えます。

 

コーヒーに対して手を加えすぎず、素材に合わせてあげる事で正しい抽出に自然となっていきます。

 

 

 

味を作るのではなく、素材を表現する

 

 
素材の美味しさを素直に表現できたものを食べると、身体が喜びます。そして美味しいと感じるのです。美味しさは常に生命を営む過程を頂戴する事でしか感じられません。それは食物を摂取している以上、誰しも平等に自然の恵みを享受してもらっているのです。

 

スーパーで買い物をしていると感覚が鈍ってしまいますが、誰しもがそれを行っているのです。

 

コーヒーだけではなく、chouetteの作るスイーツやフードは素材の香りがします。扱う素材を尊重しているからです。素材の良さを組み合わせる事はしても、作り替える事はしません。あくまでも本当の味が1番美味しいと考えています。

 

より良い方法を探し、常に表現方法を模索しています。

 

 

chouetteのコーヒーを知りたい方へ

 

 
chouetteのコーヒーを手に入れる方法は2つあります。

 

1つは、お店に来店される方法です。

バリスタが最適な抽出を行ったコーヒーをご堪能頂けます。コーヒー豆を選べたり、抽出方法を選べたり、エスプッレソから作るバリエーション豊かなコーヒーを楽しんだりとコーヒーの種類がとにかく豊富です。

詳しい方は自由に選んで頂き、そうでなくてもバリスタと一緒に会話をしながら決めていきます。

コーヒー豆も毎回同じとは限りません。一期一会のコーヒーを楽しみにして下さい。

エスプレッソマシンとコーヒー豆

 

もう一つは、オンラインストアを利用する方法です。

オンラインストアだけでしか取り扱っていない商品もありますので、チェックしてみて下さい。買った人程得をするシステムですので、オンラインストアをフォロー頂けますと定期的にクーポン券が配信されますのでご利用下さい。また、1ヶ月分のコーヒー豆を定期購入する事が可能です。こちらもお得なセットになっていますのでチェックしてみて下さい。

 

【お得なコーヒー豆の定期購入】

online store

 

 

そして、ロースターやバリスタとして勉強されたい方にも店舗を解放しています。

ロースターは「Book Coffee Roaster」, バリスタは「A STEP OF COFFEE」と分けております。

 

Book coffee Roasterは、焙煎機のシェア,レンタルを基本とした1人で自由に焙煎機を使って頂けるサービスです。

勉強されたい方には、Roaster lessonを受講頂けます。また、複数人で行うコーヒー焙煎ワークショップも定期的に開催予定です。本格的に勉強されたい方は、1日かけて集中的に行う「コーヒーローストマスター講座」もございます。焙煎理論が明確に確立されておりますので、他では聞けない内容です。

 

【東京でコーヒーの焙煎ができる「シェア・レンタル・講習」】

【コーヒー焙煎ワークショップ】

コーヒーの焙煎講習

 

A STEP OF COFFEEは、バリスタトレーニングを行って頂けるサービスです。こちらも基本的には自主トレーニングに使って頂けるサービスですので、自由に練習頂けます。

ラテアートをやってみた、バリスタ試験の練習、オープン前のトレーニングで利用される方が多いです。

講師が必要な場合は、お申し出下さい。

 

【コーヒーの抽出や焙煎を体験・トレーニング】

初めてのハート(A STEP OF COFFEE)

 

 

コーヒーをお店やオフィスで利用されたい方には卸販売を行っております。

ご利用条件に合わせてコーヒーをカスタマイズ致しますので、お取引先様が欲しいコーヒーを提供しています。どうぞお気軽にご質問下さい。

 

【Wholesale】

コーヒー豆のパック詰め

 

 

毎朝のスタートに、一息つきたい時に、大切な人と一緒の時間に私達のコーヒーがあなたのすぐ傍にいられると幸いです。

manual coffee

Enjoy coffee.

 

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