chouette torréfacteur laboratoire

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2018

03/08

コーヒー焙煎の温度【Advanced】

焙煎中のコーヒー豆がどのように変化しているか?

焙煎風景

 

 
人気の”How to roast”。このカテゴリーは非常に皆様からの人気があります。ご覧になっている方々、本当にありがとうございます。

今回から連続で、以前に書かせて頂いたコーヒーの焙煎 Vol.1【方法・温度・時間】について、さらに掘り下げていきたいと思います。

 

そして本日は、温度です。

 

焙煎中にコーヒー豆に何が起こっているかがわかれば、焙煎中の温度コントロールをしやすくなります。コーヒー豆を加熱する焙煎という作業をなぜ行うのかも一緒に考えていきましょう。

 

 

焙煎中にコーヒー豆に起こる変化

コーヒー豆がコーヒーになるまで

 

 
焙煎するときに、考えなくてはいけない事はたくさんあります。温度について計測するポイントは、大きく見ればこの5つです。

  • 投入温度
  • 中点(chouetteでは、実際計測していません。中点が100℃以上の場合は計測しましょう。)
  • 1ハゼ温度
  • 2ハゼ温度(2ハゼ前に終了する場合は計測なし。)
  • ロースト終了温度

 

もちろん、もっと細かく見ることに悪い事はありません。あくまでも最低限、上記の5つは計測しましょう。

 

ここから投入後の温度変化とコーヒー豆の変化についてお話します。

 

コーヒー豆を投入後、中点を迎えますが中点に大きな意味はありません。なぜかというと焙煎の過程で常温のコーヒー豆を投入すれば当然庫内の温度は下がります。温度を下げたくて下がったのではなく、下がってしまったのです。なので気にせず、早く温度を一定の間隔で上げられるようにしましょう。

 

次に起こるコーヒー豆の変化は水抜きと呼ばれる水分を飛ばす作業です。理科の実験でも学ぶように、100℃を越えれば水分は蒸発していきます。庫内温度が100℃以上であれば水分は飛ぶのです。その後、120℃を超えたあたりから温度上昇が鈍くなりますよね。庫内がコーヒー豆から出た蒸気で満たされると庫内の温度上昇以外にも水分を蒸発させる事にもカロリーが使われます。なので、温度上昇がしにくくなるのです。これは、必要な事柄でもあります。水抜きが不十分なコーヒーは、エグ味や辛味を感じます。生臭さや水っぽい香りもします。

 

コーヒーが変化している状態を理解すれば、コーヒー豆との対話がスムーズになります。

 

160℃あたりから、再度温度上昇が激しくなってきます。これは、庫内の蒸気が完全に気化したことを意味します。今まではコーヒー豆の回りを水分が保護していましたが、これより先は危険な状態と隣り合わせです。焙煎終了のタイミングを見誤れば、一気に焦げて苦くなってしまいます。

 

さあ、170℃を超えたあたりから1ハゼが始まる温度です。1ハゼはコーヒー豆内部から発生する炭酸ガスによる内圧と外圧の差によって生じます。日本の駄菓子でポン菓子がありますよね。私も駄菓子屋で人参の袋に入ったポン菓子をよく買いました。あの作り方をご存知ですか?

ポン菓子

窯の中にお米を入れて熱源により温めます。そして、お米から蒸気が出てきて窯の中は圧力が増していきます。10気圧くらいになるので気をつけましょう。準備ができたらレバーをハンマーで打ちつけます。用意しておいた網の中に膨らんだお米のパフが飛び散ります。通常、私たちが生活している空間は1気圧です。約10倍の気圧の場所から一気に解き放つことで、内部組織が広がりサクサクしたスポンジ状の駄菓子になるのです。

 

ポン菓子は1つの例ですが、この内と外の圧力の差が1ハゼを生みます。ということで、温度上昇が結果的に圧力を加え1ハゼに繋がっていたのです。そして、コーヒー豆に含まれる糖類が熱により“カラメル化”していくのと同時に内部から“炭酸ガス”が発生することを考えれば、コーヒーらしい香りや甘さもここから始まるのだと気付きます。

 

少し話はそれますが、しっかりハゼの音がした方が良いです。理由は、ハゼるとポン菓子のようにコーヒーもスポンジ状のサクサクした状態になります。これはコーヒーを抽出する時に、効率よくお湯を浸透させるのに役に立ちます。結果的にカップクオリティを上げてくれます。

 

190℃近くになると2ハゼが始まります。2ハゼはコーヒー豆の組織が崩れる音だと言います。そして、コーヒー豆が持っているオイル成分が表面に出てきやすくなる温度でもあります。この辺りから深煎りのコーヒーの入り口に差し掛かります。苦味を感じたい方は、2ハゼ以降が勝負になります。

 

そしてロースト終了の温度。自分の止めたいタイミングで焙煎を終了するために重要な温度です。

 

 

温度帯によるコントロール

焙煎豆の確認

 

 
実際に講習等で教えていることの1つですが、質問事項の中で特に多い2つをご紹介します。

 

1:浅煎りのコーヒーを上手に焙煎できない

この時の失敗の要因として、多くはこの2つです。

  1. 水抜き不十分
  2. コーヒー豆のおいしさを十分に発達させられていない

 

水抜きの対処法

簡単に言えば100℃以上であれば、水抜きはできます。

 

・ハゼる前段階で水抜きを完了させるためには、急激な温度上昇によってコーヒーの外皮が硬くなってしまわないようにしなければ上手く発散できません。(100℃〜160℃)

・最近では短時間焙煎によく見られる手法で、かなり早い時間で1ハゼの温度まで持っていきます。そこから温度を上がらないようにして焙煎と水抜きを完了させます。(160℃〜185℃)

 

どちらにも言えることは、100℃以上である程度の時間をかけていることです。

 

どちらが良いとは言えませんが、美味しくないコーヒーは嫌なのでちゃんと水抜きの時間を取りましょう。

 

コーヒー豆のおいしさを十分に発達させる

水抜きが完璧にできたと仮定して、コーヒーの味わいや香りが最も発達するのはハゼた後です。化学変化により起こったハゼ後は、コーヒーに大事な成分が形成されながら消失を繰り返します。ここで失敗しがちなのが、浅煎りだからと焦ってしまうあまりハゼた後の時間を取らないことです。確かに焙煎が進んでしまう危険はあるのですが、焙煎が不十分なほど美味しくないコーヒーはありません。

 

 

2:焙煎したコーヒー豆のクオリティが一定にならない

正直これは、プロレベルでないと難しいかもしれませんが大丈夫です。最も大事なのはブレーキです。コーヒーの焙煎は、1度投入したら終了まで一気に駆け抜けなくてはいけません。途中でストップできないのです。まるで人生のようですね(笑)。ということで、ブレーキコントロールについて少しだけお話します。

 

焙煎によるブレーキとはスピードを緩めることです。そして、焙煎をストップするタイミングを間違えなければ、ある程度一定のクオリティのコーヒー豆を焙煎し続けることが可能です。慣れてくれば、ブレーキという概念を必要としなくなるかもしれません。

 

ブレーキの方法は様々です。ダンパーを開けたり、火力を弱めたり、ドラムの回転数を下げたり・・・

温度上昇を下げれば、ストップするタイミングが緩やかになりミスが減り、結果的にクオリティに繋がります。一定のクオリティに仕上げるのはプロの仕事ですので、気長に覚えて欲しいと思います。また、最後に向かって火力を上げる方もいらっしゃいます。これは決して間違いではありません。ブレーキを取りやすくするために終わりに近づいた時の温度上昇を抑える話をしましたが、火力を上げるということはアクセルを踏んでいますのでタイミングを間違えれば一発で真っ黒です。職人の腕が成せる技ですね。

 

講習をやるようになって気付かされたことですが、焙煎に教科書がないのはルールを決めるのが難しいからです。その年のコーヒー豆の出来具合や、焙煎環境といったことで簡単に変わってしまいます。情報はたくさん飛び交っていますが、目の前のコーヒー豆をしっかりと見て触って感じてもらい、耳を傾けながら焙煎することが大事だと思います。

 

他にも聞きたいことがございましたら、お店でも気兼ねなくお尋ね下さい。また、遠方の方であれば直接お問い合わせ頂いても結構です。時間がかかっても必ずご返信致します。

 

また、焙煎の講習を月1で第2土曜日に開催していますので、是非ともご参加下さい。

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