エスプレッソ用コーヒー豆

の選定ポイント：完全ガイド

　
エスプレッソは、濃厚で複雑な味わいが特徴的なコーヒーです。その魅力を最大限に引き出すためには、適切なコーヒー豆の選択が不可欠です。本記事では、エスプレッソ用コーヒー豆を選ぶ際の重要なポイントを詳しく解説します。

 

 

焙煎度の選び方

 

　
エスプレッソに適した焙煎度は、中深煎りから極深煎りの範囲が一般的です。

各焙煎度の特徴と適性を詳しく見ていきましょう。

 

中深煎り（シティロースト）

• 特徴：豆の表面に油分が少し出始める程度
• 味わい：果実感と酸味を残しつつ、バランスの取れた味わい
• 適性：フルーティーさを残したモダンなエスプレッソに最適

深煎り（フルシティロースト）

• 特徴：豆の表面に油分が明確に出ている
• 味わい：コクと甘みが増し、酸味が抑えられる
• 適性：バランスの取れたクラシックなエスプレッソに最適

極深煎り（フレンチ・イタリアンロースト）

• 特徴：豆の表面全体に油分が出ている
• 味わい：強い苦味とスモーキーな風味、薄いボディ
• 適性：イタリアンスタイルのエスプレッソや、ミルクベースのドリンクに適している

ただし、近年のトレンドとして、浅煎りのコーヒー豆をエスプレッソに使用する動きも見られます。
これは、豆本来の風味をより引き出すためです。
しかし、浅煎りの豆でエスプレッソを抽出する場合は、抽出時間や温度の調整が必要となるため、経験が求められます。

 

コーヒー豆の種類と特徴

 

　
エスプレッソに使用するコーヒー豆の種類は、主にアラビカ種とロブスタ種に分けられます。

それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

 

アラビカ種

• 特徴：酸味と華やかな香りが特徴的
• 栽培：高地で栽培され、生産量は世界の約60-70%
• 適性：スペシャルティコーヒーやモダンなエスプレッソに適している
• 代表的な産地：エチオピア、コロンビア、ブラジル（高地）

ロブスタ種

• 特徴：苦味とコクが強く、カフェイン含有量が高い
• 栽培：低地でも栽培可能で、病害虫に強い
• 適性：イタリアンスタイルのエスプレッソやクレマの形成に適している
• 代表的な産地：ベトナム、インドネシア、ウガンダ

多くのエスプレッソブレンドでは、アラビカ種を主体としつつ、ロブスタ種を10-20%程度加えることで、コクと苦味のバランスを調整しています。

 

 

ブレンド vs. シングルオリジン

　
エスプレッソ用のコーヒー豆は、ブレンドとシングルオリジンの2つのアプローチがあります。

 

ブレンド

• 特徴：複数の豆を組み合わせて、複雑な味わいやバランスを作り出す
• メリット：
  • 一年中安定した味を提供できる
  • オリジナリティのある味わいを創造できる
• デメリット：
  • 個々の豆の特徴が薄れる可能性がある
  • ブレンド比率の調整に経験が必要

シングルオリジン

• 特徴：特定の産地や農園の豆のみを使用
• メリット：
  • 豆の個性や産地の特徴を直接味わえる
  • トレーサビリティが明確
• デメリット：
  • 季節や収穫量によって味が変化する
  • エスプレッソとしてのバランスを取るのが難しい場合がある

近年のコーヒー業界では、シングルオリジンのエスプレッソが注目を集めています。
これは、特定の産地や農園の個性を際立たせたいという需要の高まりによるものです。

 

 

お店のコンセプトに合わせた豆選び

 

　
エスプレッソ用の豆を選ぶ際は、お店のコンセプトや提供する料理との相性を考慮することが重要です。
当店で卸販売や購入されるお客様の傾向からお伝えします。

 

料理やスイーツを提供する店

• おすすめ：ロブスタ入りのブレンド豆（トレンドを重要視されているお店の場合はシングルオリジンでご提供される場合があります。）
• 理由：強い苦味とコクが料理の味を引き立てる

コーヒー専門店

• おすすめ：アラビカ100%のスペシャルティコーヒー
• 理由：豆の個性や風味の複雑さを楽しめる

カフェラテやカプチーノを主力とする店

• おすすめ：中深煎りのブレンド豆
• 理由：ミルクとの相性が良く、バランスの取れた味わいを提供できる

 

 

テイスティングの重要性

　
最終的な豆の選定には、実際のテイスティングが不可欠です。以下の点に注目しながらテイスティングを行いましょう。

• 香り：焙煎度や豆の種類に適したアロマが感じられるか
• 味わい：酸味・苦味・甘味のバランスがとれているか
• ボディ感：口の中での厚みや重さは適切か
• クレマ：適度な量と質のクレマが形成されるか
• アフターテイスト：飲んだ後に残る余韻は心地よいか

テイスティングの際は、エスプレッソマシンの設定（抽出温度、圧力、時間）も考慮に入れる必要があります。
同じ豆でも、抽出条件によって味わいが大きく変わる可能性があるためです。

 

 

鮮度と保存方法

 

　
エスプレッソの品質を保つためには、豆の鮮度と適切な保存方法が重要です。

• 焙煎後の最適な使用期間：2週間〜1ヶ月以内
• 保存方法：
  • 密閉容器に入れて冷暗所で保管
  • 直射日光や高温多湿を避ける
  • 必要な分だけ挽いて使用する

焙煎から時間が経過した豆や、粉末の状態で長期保存された豆は、エスプレッソの品質を著しく低下させる可能性があります。

 

シュエットの卸取引は

 

　
エスプレッソ用コーヒー豆の選定は、お店の味の基盤を決定づける重要なプロセスです。
焙煎度、豆の種類、ブレンドかシングルオリジンか、お店のコンセプト、そして実際のテイスティング結果を総合的に判断して、最適な豆を選びましょう。
また、市場のトレンドや顧客の好みは常に変化しています。
定期的にテイスティングを行い、新しい豆や焙煎方法を試すことで、常に最高品質のエスプレッソを提供できるよう努めましょう。
エスプレッソ用コーヒー豆の選定は、本当に難しい作業です。
本記事の情報を参考に、あなたのお店ならではの最高のエスプレッソを見つけ出してください。

 

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Contact

 

 

 

 

 

代表　高山健二

・低温焙煎イノベーター
・シュエット トレファクチュール ラボラトワール　代表

 

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