2025
12/01
JCRC2025 予選会結果報告
JCRC2025
予選

JCRC2025(ジャパン コーヒー ロースティング チャンピオンシップ)の予選が、11月14日〜16日で行われました。
全国の焙煎人精鋭84名が参加し、決勝枠12名を競います。
今回、私、高山が出場し、予選通過いたしました。
結果報告と準備等について書いていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
ジャパン コーヒー ロースティング チャンピオンシップとは?
JCRCは、日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)が主催するコーヒー焙煎の技術を競う大会です。焙煎技術の向上に貢献することを目的としており、世界大会 WCRCへの選考会としても開催されています。
JCRC2025 予選に向けて
前に出場できたのが2019年大会。
その時の結果は、こちらの記事からご確認いただけます。
大会の出場枠が84名。
毎年、応募開始直後に枠がいっぱいになってしまいます。
私は、過去5年間、出場できずにいました。
なので出場できたことが、第一関門突破です。
焙煎機は、StrongHold S7Xという韓国の焙煎機。

chouetteの焙煎機はGiesenというメーカーです。
StrongHoldは、一度も触ったことがありません。
ということで、焙煎機の練習会に参加することにしました。
練習会場は東京にある大一電化社さんのオフィスです。
事前にStrongHoldのInstagramやネットに上がっている動画を参照して、どのようなアプローチがあるのかを調査します。
私の調べだけで、考え方の傾向が4種類。大きく分けると2種類ほどに絞り込むことができました。
練習会は限られた時間の中で焙煎機の確認ができますが、多くのことを試せるほどの余裕はありません。
確認事項を先にまとめて挑みます。
・絞り込んだ2種類のプロファイルでは、どちらの方が操作性が安定し、良い結果が得られるか?
・焙煎機の操作がどのように豆に対して反応するか?
最低限、この2つは確認しておきたかったです。
StrongHoldという焙煎機の特徴として、3つの熱源を操作できることにあります。
1.Hot Air(対流熱)
2.Halogen(輻射熱)
3.Drum heater(伝導熱)
これらを効率良く操作し、コーヒー豆に正しいアプローチをできるようにすることが、練習会から本番までの課題です。
練習会では4回焙煎しました。
後日、カッピング(検証)して、本番用のプロファイルを決めていきます。
JCRC予選準備

どんな大会でも準備で忘れてはならないのが、ルールの確認です。
JCRCからR&R(ルール&レギュレーション)が出されます。
毎年少しずつ変更点があるので、読まなくて良いということはありません。
審査基準だけでなく、準備されている道具や使って良い道具についても明記されています。
2025年の予選会では、一通りのアイテムは用意されていましたが、計量用のはかりやコーヒーの風味を確認するためのカッピングスプーンの用意がありませんでした。
これらがないと、焙煎したのは良いけど、確認しないまま提出しなくてはいけません。
意外に落とし穴だったのが、マジックペンです。
提出用の袋に名前を書くためですが、これについては貸し出ししてくれました。
実際の予選会を想定して、使用するアイテムを事前にリストアップするくらいはしたほうが良いでしょう。
いざ、予選会場へ

写真は帰りに寄った奈良公園
予選会場は、奈良県天理市。
奈良へ行くのは人生で初めてです。
私は、東京からなので新幹線で京都まで行って電車で行く方法が楽かと思います。
ですが、今回は夜行バスを利用しました。
理由は、時間を無駄にしたくなかったこと。
狭いですし、あまり寝られないですが、1日で帰ってくるので有効に時間を使える移動手段を取りました。
早朝5時45分くらいに天理駅前に到着。
さすがに人がいません。
時間があったので、神社に参拝したり街を探検したり・・・
予選の集合時間が、私の順番は10:15〜12:15だったので、それに合わせて行動します。
身体のパフォーマンスのピークを予選の時間に合わせて、運動と食事を行います。
天理駅に到着してから運動と水分補給をしておきます。
朝ごはんを食べて、試合前に座って時間を作れる場所を確保。
R&Rと持ち物を再確認。
ここで、重大なミスが発覚します。
コーヒー豆を計量するスケール(はかり)を忘れていました。
前日、ギリギリのところでカッピングスプーンは気付いたのですが、盲点でした(反省💦)
近くで買えそうな場所を検索して100円均一へ。
コーヒー用のスケールは0.1g単位で量れるものを使用するのですが、100均ではそこまで小さい単位で計測できるスケールがありませんでした。
仕方がないですが、ないよりはマシ。
なんとか手に入れ出陣です。
予選会場にて

予選で使用されたグアテマラのコーヒー豆
予定の10:15分よりも15分ほど早く会場へ到着しました。
会場内の入場制限があるので、外で待っていると、1回戦目の選手が出てきました。
みなさん、口々に感想を話していたので、聞き耳を立てながら中に入ると、中では次の組みの選手が入場待ちしています。
とりあえず、一緒に待たせてもらうことに。
程なくして、次の組みの選手たちは会場へ入っていきました。
時間まで待っていると、私と同じ組み合わせの選手が1人また1人と到着。
それぞれの選手と挨拶を終え、オリエンテーションが開始します。
ここでは、当日使用する豆の開示やルールの確認を行います。
競技の流れが説明され、質疑応答を行うことができます。
同じ組みの中にもカッピングスプーンとスケール(はかり)を忘れている方がいらっしゃいました。
その方は運良く、その場で購入することができましたが、準備と確認は本当に大事ですね。
JCRC2025 予選開始
時間になると事前にくじ引きで決めた焙煎機の前に進み、競技が開始されます。
焙煎機は競技者1人につき1台があるので問題ありませんが、グラインダーやお湯は共有しています。
ぶつかれば大惨事になりかねませんので、注意が必要です。
今年は競技時間は1時間。
時間内に焙煎とカッピングを行い、提出豆を袋詰めし、掃除・片付けまで行います。
競技豆は1kg配られていて、どのような配分で焙煎するかは競技者に委ねられています。
1時間あれば3回焙煎することも可能です。
ただ、焙煎機に対する投入量を考えると2回が限度(私の考えです。300gを3回とかは可能です。)かと・・・。
ということで、私は2回焙煎することに事前に決めていました。
もちろん、当日のプロファイルも用意してあります。
ただ、当然のことですが用意していたプロファイルの通りにいかないです。
事前に練習会で使わせてもらった焙煎機と予選会で使用している焙煎機では焙煎環境が異なるためですね。
これについては折り込み済みなので、1回目は上手く焙煎できればラッキー✌️くらいの感覚です。
どちらかといえば、焙煎機のクセと課題豆のキャラクターを把握することに努めます。
1回目の焙煎が終わりました。
カッピングで豆のキャラクターを把握し、どのようなアプローチが適切か検討します。
用意していたプロファイルとのズレを確認し、2回目の焙煎に向けて修正。
ここからが本当の勝負です。
2回目の焙煎が終了。
修正ポイントを改善し、カッピングです。
明らかに1回目よりも2回目の方が甘さが増しました。
1回目は、酸味が明るく出ていたのですが、アフターが短く弱い印象。
2回目は、明るいですが強すぎない酸味と甘さがあり、アフターが伸びました。
明らかに2回目の方が良いカップなので、2回目を提出します。
私は、他の競技者よりも早く終わったので、15分くらい時間を持て余してしまいました。
JCRC2025 結果発表
結果はこちら
五十音順
| 石原 匠真 | 株式会社トランク | |
| 岩本 克也 | 手網焙煎 歩里人珈琲 | |
| 小上 雄矢 | 株式会社ヒサシヤマモトコーヒー | Unir 本店 |
| 高山 健二 | chouette torréfacteur laboratoire | |
| 辻本 智久 | 株式会社すてきなじかん | TSUJIMOTO COFFEE |
| 時松 小百合 | タカムラ株式会社 | TAKAMURA COFFEE |
| 中村 純也 | なかむら珈房合同会社 | なかむら珈琲 |
| 仲村 良行 | 株式会社土と根 | 豆ポレポレ |
| 西川 隆士 | 株式会社ニシカワカンパニー | Sanwa Coffee Works |
| 深山 晋作 | Samurai Dream 株式会社 | Barista Map Coffee Roasters |
| 藤山 博康 | 藤山珈琲合同会社 | フジヤマコーヒーロースターズ |
| 山崎 健 | 株式会社ミカド珈琲商会 |
2025年は上記の12名が決勝大会進出です。
予選の順位は全体の3位ということでした。
私、高山も決勝へ駒を進めることができました。
決勝で最高のパフォーマンスを引き出せるように、調整していきます。
決勝へ向けて
決勝は1月16〜18日の3日間で行われます。
ここから先は全てが初めての経験なので、臨機応変に楽しみながら頑張ってきます。
chouette 情報
代表 高山健二

・低温焙煎イノベーター
・シュエット トレファクチュール ラボラトワール 代表
chouetteのコーヒーへの想いはConceptにてご覧頂けます。
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