美味しいコーヒーのためにできること

 

 

コーヒーは非常にデリケート。

些細なことで大きな味わいの変化が生まれるため、コーヒーを焙煎したり抽出する作業の中に細かな決まりごとがたくさんあります。

 

お客様がご家庭でまたプロの方にもより良いコーヒーの提供のために、chouetteではシェアロースターやセミナーを通じた美味しいコーヒー知ってもらう機会や逆に教えてもらう機会を頂戴することがあります。

本当にコーヒーに詳しくない方からの何気ない言葉が、常識を打ち破る美味しいコーヒーへのヒントになることも。

 

今回は質問を受けることの多い、chouetteでしか飲めないコーヒーが生まれたルーツをご紹介していきます。

 

 

新しいドリップコーヒーの形　「コーヒーショット」

 

　
「こんなに良いエスプレッソマシンがあるのに、ハンドドリップのコーヒーを飲むのは勿体無いね。」そんな、何気ないお客様との会話がキッカケでした。chouetteのエスプレッソマシンはSlayerを使用していて、シグネチャーコーヒーのDrop shotや人気のカフェラテ等のコーヒー を抽出しています。

 

またシングルオリジンのコーヒーを扱う以上、エスプレッソではない抽出方法が必要でした。そこで当時は、メインにペーパードリップ、お好みでフレンチプレスでも抽出できるようにしていました。

 

お客様のお言葉の通りで、とても良いエスプレッソマシンです。

エスプレッソマシンはコーヒー豆の抽出効率を考えて作られた高性能マシンです。バリスタの感性とマシンの性能を掛け合わせたエスプレッソではないコーヒーを淹れられないか？と考えたのが始まりでした。

 

「エスプレッソマシンでコーヒーを淹れる？」

 

それってコーヒーショットじゃん。と思われる方もいらっしゃるかと思います。

その通りです。ということで、「コーヒーショット」という名前をchouetteでも採用しました。ご存知ない方にもご説明いたします。

日本に登場したのは、パリで一番美味しいコーヒーが飲める店として日本に上陸した青山の「クチューム」さん（私の記憶では・・・）。

残念ながらすでに閉店してしまいました。

 

私も勉強のためにお伺いしたことがあります。当時、飲んで抽出についても質問しました。エスプレッソの抽出量が30mlであれば、コーヒーショットはさらに抽出量を増やしたコーヒー。ルンゴよりも抽出量は多く、ペーパードリップのようなクリアな美味しさではなく、濃く強めのコクのあるコーヒーのイメージでした。

 

同じ道を通るのは、フランス料理の勉強のためにフランスにいたが為なのか？

理由はさておき、コーヒーショットはバリスタが適切な粒度にコーヒー豆を挽き、エスプレッソマシンを使って抽出したドリップコーヒーです。

 

当たり前のことですが、エスプレッソマシンはエスプレッソを淹れるためのマシンです。コーヒー（ハンドドリップのような量のあるコーヒー）を淹れるために作られていません。アメリカーノのようにエスプレッソをお湯で割ったコーヒーは存在しますが、エスプレッソをそのまま抽出し続けるコーヒーはクチュームさん以外で私は見たことがありません。*ルンゴは湯量が少ないと捉えています。

実際に実験してみても、私自身もそれが美味しいと思えませんでした。（個人の意見ですのでご容赦下さい。）

 

そこでバリスタの感性が必要になります。

エスプレッソマシンは一般的に９気圧の圧力をかけて抽出します。抽出時間は、通常であれば30秒〜40秒程度でしょうか？chouetteのコーヒー１杯が8ozなので、240ml を抽出するのにどれだけの時間がかかるのか？また、それに適合させるコーヒー豆の粒度は極細挽きで本当に適切か？ e.t.c…

 

そんな疑問を1つ1つ丁寧に解決した結果が、chouetteのコーヒーショットです。

マシンを使ったドリップコーヒーで、クリアさとコクを両立しています。chouetteでご注文を受けてコーヒーを作る際に、一番オーソドックスなコーヒーの抽出方法がコーヒーショットです。

 

ぜひ、お試しいただきたいと思います。

 

 

コーヒー 焙煎進化論

 

　
chouetteではシェアロースターを通じて、誰もがコーヒーの焙煎ができる環境を提供しています。

質問に答えられるように自分自身も勉強を欠かさないようにしているのですが、みなさん鋭い質問が多いです。

 

ロースターの仕事は一人でコーヒー豆と向き合う事が多いのですが、みなさんから集まる疑問を紐解き、理想を現実にしていく事がchouetteの焙煎技術を成長させてくれます。一人で黙々と打ち込まなくてはいけない事も多いのですが、多くの方から寄せられるコーヒーへの熱い想いが加速度を与えてくれるのです。

 

すでにchouetteでは低温焙煎を提唱していますが、たくさんの方とコーヒーの焙煎について話し合う取り組みがより良いコーヒー豆へのアプローチを実現させるでしょう。

妥協する事なく探究心を持って、これからもおいしいコーヒーをもっともっと皆様にお届けできるようにしていきます。

 

 

chouette torréfacteur laboratoire のルール

 

　
些細な違いが大きな差になるコーヒーの味わいを決めるときに、chouetteではルールがあります。

既存の方法や理論よりも優先するべきとても大事なこと。

 

 

最高に美味しいコーヒーに従うことです。

 

 

毎日変わるコーヒーの状態に、私たちは翻弄されます。あらかじめ決めてあるルールは簡単に打ち破られるものです。これまでの経験が通用しない体験は、新しいコーヒーへの入り口でもあるのです。

 

 

常に変化する環境の中で、最高に美味しいコーヒーだけが私たちを導いてくれます。

 

 

私たちは最高のコーヒーに従い、焙煎・抽出という工程でコーヒー自身にストレスがかからないように細心の注意を払うのです。

chouette torréfacteur laboratoireで出来ることは、少ないかも知れません。

 

最高のコーヒーのために、変化を受け入れ、美味しさを求めることこそがchouette torréfacteur laboratoireのルールです。