2024
05/29
エルロシオカップ2024 東京予選
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エルロシオカップ2024
東京予選
エルロシオカップ2024の東京予選に行ってきました。
そして、ご存知の方も多いと思いますので、先に結果をお伝えします。
結果は、
1位通過です。
ありがとうございます。
なんとか、結果につながって良かった。
実は予選会の後にお問い合わせがありまして、
「どのような準備をして、予選中はどんなことを考えていたの?」
そんなことをお伝えします。
まず、エルロシオ(El Rocio)は、エスプレッソのメーカーです。
日本の代理店は、NOG COFFEE ROASTERSさん。
このエルロシオのエスプレッソマシンを使って、より美味しいエスプレッソを淹れるのは誰かを争います。
ルールは、大会のホームから引用させて頂きました。
写真等も勝手にお借りさせて頂きました。
制限時間内にベストな「エスプレッソ」を抽出し、ジャッジが判定を行います。
競技は1対1のトーナメント方式(5分間)で行われ、上位6名(東京予選から3名、福岡予選から3名)が福岡で行われる決勝大会へ進みます。
決勝では(日本・韓国・台湾)各国から6名ずつの決勝進出者が一同に集い、アジアナンバーワンの「エスプレッソ」を抽出できるバリスタを決めます。
エルロシオカップ予選会に向けて
予選のルールはわかっていても、マシンは触ったこともないですし、当日の豆はケニアということしかわかりません。
幸いなことに、練習会が行われたので参加してきました。
コーヒーミルが2種類。
正直どちらを使えば良いのか・・・?
マシンの設定は変えられるのですが、その場合に5分という時間内で調整まで辿り着けるのか?
そんなことを確かめたかったんですけどね。
練習会は、結局4回しか抽出できませんでした。
豆も違うし、コーヒーミルを2回ずつ使っただけ。
わかったことは、エスプレッソマシンと各コーヒーミルの扱い方くらいです。
正直、ほとんどわからなかった。
ということで、イメージトレーニングに重点を置きました。
オペレーションをスムーズに行うことと良いカップを作ることは繋がっていますからね。
まず、どちらのコーヒーミルを使うかということですが、最終的に私はOption-O Lagom P64を選びました。
初めはVaria VS3にする予定だったんです。
それぞれいろんな違いはあるんですけど、私が注目した1番の違いは刃です。
フラット刃とコニカル刃。
コーヒーミルの違いについては、こちらのブログで説明しています。
http://torrefacteur-lab.tokyo/wp/6413
Varia VS3はコニカルタイプ。
ドリップ等の方がよく使われますが、ケニアの豆だとわかっていたので上質な酸を出しやすいかも???と考えました。
ただ、検証のしようがなかった。
お店のコーヒーミルはフラットタイプなので、フラットでケニアのコーヒーを抽出してみて味わいの方向性だけ決めて、当日に修正を入れていくことに決定。
シュエットのエスプレッソは、お客様に浅煎りだと言われますが、ちゃんと2ハゼまでいっているので浅くはないんですよね。
ケニアは浅煎りのタイプしかなく、大会はおそらくあまり深くないのではと推理していたので、それでイメージしてみます。
んっっっ!?
確かに酸味は強い。(ドリップ用だから当然か。)
そこから、調整すると・・・
結構美味しい。
いや、かなり美味い。
しかも、砂糖を少し入れたらヤバい美味い。
砂糖を加えた方がベリーやカシス感が増して凄い。
エスプレッソ初心者でも美味しく飲める。
もう、この時点で商品化することが決定しました。
(ケニアでやるかはわかりませんよ。)
それでも、どんな特徴のケニアがどのくらいの焙煎になっているのかはわかりません。
(結局、何もわからないんだよね。)
ということで、
ケニアらしい酸質を活かした、それでいて甘さを感じやすいエスプレッソを目指します。
この辺はなんとなく。たぶん、参加選手の方は同じように考えたのでは?
大会ではダブルのバスケットが用意されていて、一度に2杯分を抽出します。
エルロシオのバスケットは規定が18g(練習会の時に確認)なので、ドース(粉量)はあまり考えず一旦18gで固定します。
20gくらい詰めて濃いめするのも考えましたが、液量で調整する方向にしました。
液量は基本となる1:2よりも少し多めを目標。(正確な比率は決めない。)
液量が少ないと酸が尖ってしまう。
濃度があってトロッとしている方が個人的には好みなのですが、多少サラッとさせてでもカップのバランスを整えることを尊重させます。
時間に関しては、初めは無視して当日のスピードに合わせるようにします。
あとは、課題のコーヒー豆の状態を見て調整していきます。
*ちなみにお店のレシピは全然違います。
大会にアクシデントは付きもの
今までもコーヒーの大会にはいくつか出場してきましたが、1度として素直に競技ができたことはありません。
みんなが同じ条件ですし、その時の対応力も問われます。
今回も1回戦から、トラブルが・・・。
練習会での想定からコーヒーミルの挽き目は決めていたのですが、液体がほとんど落ちてこない。
この時点で想定とは全く違うので、あらかじめ決めていたことを一度諦めました。
挽き目を大きく変え、液量・時間を感覚で調整します。
挽き目を大きく変えたつもりでしたが、それでも想定よりも抽出スピードが遅かったので、液量が多くなれば過抽出になる恐れが。
その場で液量を基本の1:2に戻し、テイスティングして2回戦に繋げる狙いです。
おそらくですが、1回戦の時点で満足のいく抽出のできた選手はいなかったと思います。
私も時間さえあればもっとやりたいことはありましたが、5分ルールなので仕方ありません。
不幸中の幸いとして、狙った感じにはなりませんでしたがそこまでネガティブがなかったこと。
これが、1回戦を突破できた要因だと思います。
2回戦からコーヒー豆が変わる!?
1回戦を無事に勝ち抜きましたが、2回戦でもまた想定外のアクシデントが。
運営の方:「コーヒー豆が変更になりました。」
(正確には同じ豆だけど焙煎したバッチが変わりました。)
選手達:「えっ!?」
そりゃないよ。
2回戦のためにレシピも考えていたのに。
こういう小さなズレが怖いんですよね。
ですが、やることは変わりません。
1回戦が終わってから2回戦までにイメージで修正したことを、まずやってみて、ダメなら修正。
これしかありません。
その結果、ダメだったんですよ(笑)
2回戦のバッチの方が1回戦よりも焙煎が深かったんです。
ただ、カップとしては悪くなかった。
明るい酸質は出ませんでしたが、チョコレート感がありました。
この時点では、少しドライな印象が。
頭によぎったのは、豆のキャラクターがしっかりと反映されたカップの方が得点が高くなるだろうという点。
知らないマシン・知らない環境・知らないコーヒー豆ですから、上手くいかなくて当然ですよね。
「すごい良くはないけど、ものすごい悪い状態じゃない。相手も同じ条件だ。」という感じで提出。
結局、スピードで勝利しました。
マシンの個体差に悩まされる
大会では、競技台が4つあり、それぞれに同じアイテムが同じように揃えてあります。
ですが、実際に使ってみると各マシンによって多少のズレが。
個体差があるのは仕方のないことですが、エスプレッソはその微妙なズレが命取りなんですよね。
2回戦からさらにブラッシュアップして3回戦へ
さらに心理戦が始まります。
同じ点数なら先に提出したほうが勝ちになるスピード勝負です。
1回の抽出で提出するのか?
2回抽出してしっかり確認するのか?
3回戦は対戦相手の方が提出が早かった。
しかも、思ったよりも苦味が先行していたのでスピード勝負は諦めて少し調整。
この辺りで、ある程度の抽出傾向は掴めます。
もちろん、対戦相手もそこは承知の上です。
3回戦のエスプレッソが、本来目指していたものに一番近いもので自信がありました。
スピードか?
完成度か?
ここまで勝ち上がってくると、各々が方向性を持ってエスプレッソを抽出できるとこまで調整が済んでいる段階です。
ただ、マシンの個体差があるので微妙なズレが生じてしまうことがあります。
上手くいけば、1回の抽出で調整の必要がないくらいまで。
なので、運もあったでしょう。
正直なことを言えば、誰が勝ってもおかしくなかったと思います。
準決勝と決勝については、駆け引きがありました。
相手よりも先に提出するのか?
ゆっくりと確認してから提出するのか?
私の中では、早く提出することを第一条件として、ダメな場合だけ2回目の抽出をすることに決めました。
勝ち上がってきた方は皆さんすごかったので、そこまで大きな差が出ていないと予想したのです。
はずれた抽出をしない限りは早く提出する。
今思えばですが、いつもお客様に提供するときだって同じですからね。
先に提供することで、対戦相手へのプレッシャーにもなったのでしょう。
初めにも書きましたが、結果につながって本当に良かったです。
決勝大会は福岡
ひとまず、予選を通過できたことは嬉しいですし、素直に受けとめて決勝大会に臨みたいと思います。
韓国と台湾の選手も来るんだよなぁ。
ビビる。
予選会のことを何度も思い出して、イメトレしなくちゃ。
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代表 高山健二
・低温焙煎イノベーター
・シュエット トレファクチュール ラボラトワール 代表
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