2017
08/14
コーヒーの抽出【グラインド・温度・時間】
Contents
コーヒーの抽出
8月も、もうすぐ半分終わってしまいます。
今年の残暑はいつまで続くでしょうか。
お盆休みが終われば台風シーズンからの秋の長雨。それが終われば秋の行楽シーズン到来です。美味しい食べ物や果物がたくさん出回りますね。
私は毎年、食欲の秋です。
そしてコーヒー豆も収穫を終え、新しく今年穫れたコーヒーがたくさん到着します。
そこで、皆様にご家庭でも美味しいコーヒーを飲んで頂きたいと思い、バリスタとしてのコーヒーへのアプローチをご紹介致します。
大事なのはバランスです。
こうしたら正解が出るといった数学の公式のようなものではありません。
どちらかというと「自分にとって美味しいコーヒーの公式の求め方」をご紹介していきます。
美味しいコーヒーの抽出に必要なもの
さあ、コーヒーを淹れましょう。
その時、あなたなら何をしますか?難しく考えないで下さい。
まずコーヒー豆はありますか?そのコーヒーは新鮮ですか?
コーヒー豆は焙煎から少しづつ酸化し、劣化していきます。それには酸素,水分,光といった要因が大きく関係しています。封を開けたコーヒー豆は出来るだけ早く使い切りましょう。
コーヒー豆は確保しました。
次はお湯を沸かします。
ちょっとしたまめ知識ですが、同じ浄水でも冷蔵庫に置いといた物よりも水道から出したての方が酸素や二酸化炭素を多く含んでいて美味しいコーヒーが淹れられるんです。
お湯も沸きました。
ここでは抽出方法が家庭シェアナンバー1のペーパードリップで進めていきます。
(コーヒーのグラインドはお湯を沸かしている間にでもやると良いです。コーヒー粉で購入された方はそのまま使いましょう)
ドリッパーにペーパーフィルターをセットして、下にカップかコーヒーサーバーを置きましょう。
コーヒー粉を入れる前にペーパーフィルターをお湯ですすいでおきましょう。
ペーパーの臭いが取れますよ。終わったらお湯は捨てます。
それからコーヒー粉をセットして軽く振って平にならし、お湯を投入します。
必要なお湯を注いだら終了です。
この一連の動作の中で必要な物を以下に箇条書きします。
・焙煎日から新しいコーヒー豆
・新鮮なお水
・グラインダー(コーヒー粉を購入の場合は、劣化スピードが早いです。早めに使い切りましょう)
・抽出器具(ドリッパーやペーパーフィルター等)
・お湯を注ぐポット(フレンチプレスのような抽出方法ではなくても構いません)
お湯を沸かせる前提ですが、この5つが揃えば美味しいコーヒーは淹れられます。
まずは材料と道具を揃えましょう。
コーヒーのグラインド(挽き目)
コーヒーを抽出する際に必ずと言っていいほど、コーヒー豆をグラインドします。
理由は豆のままでは味や香りが開かないからです。
グラインドという作業はコーヒーを美味しく飲む為には欠かせない作業の1つです。
コーヒーショップの当店では、家に小型で構わないのでグラインダーを一つ用意してもらい抽出直前に挽いてもらう事を推奨しています。
誰でも分かる事かもしれませんが、コーヒー豆はグラインドする事で細かくなります。
私達は細かくする事を目的としていません。コーヒーがお湯に触れる接地面を増やす為にグラインドします。グラインドする事で表面積を増やし、より抽出された液体にコーヒーの味や香りを移したいのです。
抽出方法にあったグラインドの細かさはあります。
各コーヒーの抽出方法に用いられる一般的な細かさは、調べればすぐに出てきますのでここでは割愛させて頂きます。
グラインドを決める時に求められる事は2つ
・味や香りがきちんと出て来ているのか?(物足りない場合は細かくしましょう)
・味や香りが出過ぎてエグさや嫌味を感じないか?(感じる場合は粗くしましょう)
お店で挽いてもらっている方はいつもの味で満足できなくなったら、まずはここから疑いましょう。
もともと飲んでいたという事は、そのコーヒー自体は嫌いではないはずですから。
グラインドで味や香りの濃さを決められるんですね。
それではグラインダーの種類をいくつかご紹介します。
・コニカルグラインダー(円錐の臼式)
手動のタイプと電動のタイプがあります。
コーヒー豆を挽くグラインダーの刃が臼状で円錐型になっています。
安価で手に入りやすい事と比較的小型の物が多いので初級編としては申し分無いです。
写真はハリオのコーヒーミルです。
・ブレードカッター(プロペラ式、ミキサー式)
プロペラのようなブレードが回転するタイプです。
ミキサーのような形状で、コーヒー豆を粉砕していきます。
こちらのタイプは出来上がったグラインドの細かさを均一に調整しづらい点と雑味の原因となる微粉が多く出る事から、当店ではあまりおすすめはしておりません。
写真はカリタのイージーカットミル
・フラットカッター(カット刃式)
業務用のグラインダーに多いタイプです。
鋭利な溝が刻まれた円板が向き合って回転し、通過するコーヒー豆を切り刻むのがカット式。
こちらはかなりお値段的にも高くなってしまうので、こだわりたい中級者〜上級者向けです。
均一に挽けるという点がグラインダーには1番大切な要素なのですが、それを最も満たしています。
写真はカリタ NEXT G
自分にあったコーヒーミルを探してみて下さい。
コーヒーの温度
コーヒー豆が適切な挽き目でグラインドできましたね。
さあ、コーヒーにお湯を注ごうと急がないで下さい。
コーヒー豆から美味しい成分を抽出する時に注ぐお湯の温度は何度でしょう?
結構これは意見が分かれます。
お湯が熱い(例:90℃)場合はコーヒー豆から成分を抽出しやすく、沢山の味や香り成分が溶け出してきます。
逆にお湯の温度が少し低い(例:75℃)なら抽出される成分の量が少なくなります。
それなら、「お湯の温度は高い方が美味しいコーヒーが淹れられるのかな?」という事になりますが、現実はそんなに上手くはいきません。
グラインダーの時の考え方を思い出して下さい。先ほどと重複しますが、
グラインドを決める時に求められる事は2つ
・味や香りがきちんと出て来ているのか?(物足りない場合は細かくしましょう)
・味や香りが出過ぎてエグさや嫌味を感じないか?(感じる場合は粗くしましょう)
これと同じ考え方がお湯の温度でも起こります。(飲んだ時に美味しいと思える温度である事を前提とします。)
お湯の温度で求められる事2つ
・味や香りがきちんと出て来ているのか?(物足りない場合は温度を上げましょう)
・味や香りが出過ぎてエグさや嫌味を感じないか?(感じる場合は温度を下げましょう)
基本はこの2つです。
温度に関してはもう一つ考えるべき点があります。
同じコーヒーでも、温度帯によって抽出される風味が異なる点です。
高い温度で淹れたコーヒーはナッツ系のフレーバーがしていたのに対し低い温度で入れたコーヒーはベリー系のフレーバーに変化したなんて事も起こるのです。
さすがにご家庭では温度計まで用意して、コーヒーを毎朝淹れるのは大変です。
休みの日に試してみると面白いと思いますよ。
この点に関しては、好みの部分が大きく関係してきます。
毎日のコーヒーの味に差を感じていて、それを改善されたい方は温度が毎回違う可能性があります。
しっかりと沸騰させるようにすると温度を均一に保ちやすいです。
コーヒー抽出に要する時間
コーヒーを用意し適切な細かさでグラインドできました。
新鮮な水を適切な温度に沸かしました。
やっとコーヒーが飲めそうですね。
どうぞ、コーヒー粉にお湯を注いで下さい・・・
ところでその抽出にどれくらいの時間をかけて注ぎ終える予定ですか?
「えっ!!もう注ぎ始めちゃったよ。」とか、なっていませんよね。
意地悪して申し訳ありません。こちらもしっかりと考えていきましょう。
『お湯を注ぎ始めてから、ドリッパーからコーヒーの液体の抽出を終えるまで』を抽出時間と言います。
これは抽出方法によっても変わりますが、考え方は前に書きましたグラインドや温度の時と同じです。
抽出時間で求められる事2つ
・味や香りがきちんと出て来ているのか?(物足りない場合は抽出時間を長くしましょう)
・味や香りが出過ぎてエグさや嫌味を感じないか?(感じる場合は抽出時間を短くしましょう)
同じですね。難しく考えないで下さい。
薄いなと感じたらじっくりと時間をかけて抽出すれば良いのです。
濃いなエグいなと感じたら早めに抽出を終えれば改善されます。
サードウェーブ系のお店では早めに抽出を終えてエグみや雑味のないスッキリとした味を求めるお店が比較的多いです。
あっさりとした上品な傾向になっていることは確かですね。
「実際の所、どれぐらいを目安にすればいいの?」となりますよね。
chouette torréfacteur laboratoireでは、例としてペーパードリップの場合は2:00〜2:30ほどで抽出を終えます。
バリスタの毎日
今まで書いて来た事全てが、バリスタの仕事です。
これ以外にももちろんあるのですが、正しい抽出を行うという事に関して言えば毎日やらなければいけない仕事になります。
適切なグラインドに調節し、適切な温度設定をし、適切な抽出時間を計測します。
これらを一環して行う事で適切な抽出に至るのです。
抽出方法によっては他にも調整するべき点がは出てきますが。
全てを合わせると複雑で結構難しいのです。
その日の天候や温度、湿度等で簡単に変化してしまうので、頻繁に確認が必要になるでしょう。
コーヒーが身近になればなるほど、バリスタの存在は非常に大切になってきます。
大事な事は私達の都合を押しつけず、コーヒーに寄り添う事です。
毎日の訓練で舌に覚えさせ、理想を描き、現実に表現できるように、私達は常に理想を追い表現していきます。
まとめ
今回はグラインド、温度、時間について進めてきました。
抽出方法を特定せずに基本的な考え方をお伝えしたかったのは、コーヒーを楽しんで欲しいからです。
当店でコーヒーを抽出する基準はあります。
ご家庭で必ずしもそれが通用するとは限りません。
「昨日と今日ではここが違う。明日はこうしてみようかな?」と、明日のコーヒーが少し楽しみになって頂ければうれしいです。
chouette 情報
代表 高山健二
・低温焙煎イノベーター
・シュエット トレファクチュール ラボラトワール 代表
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