2025
03/21
ペーパードリップの原理とは?バリスタのための科学的な抽出解説
Contents
ペーパードリップの原理とは?
バリスタのための
科学的な抽出解説
☕ おはようございます。Beanです。
今日は、ペーパードリップの“入れ方”ではなく、その奥にある「なぜそう入れるのか?」という抽出の原理についてお話しします。特にバリスタを目指している方にとって、手技だけでなくその裏にある理論を理解しているかどうかは大きな差になります。
見よう見まねのドリップから一歩進んで、「なぜそうなるのか」を一緒に掘り下げていきましょう。
ペーパードリップはなぜ“クリアな味”になるのか?
ペーパードリップの最大の特徴のひとつが、クリーンカップと呼ばれる透明感のある味わいです。
その理由はシンプルで、「紙」というフィルターのろ過性能にあります。
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一般的なペーパーフィルターの孔径は約20ミクロン前後。
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コーヒーの微粉(ファイン)は10ミクロン以下の粒も含みますが、多くがペーパーに捕捉されます。
これにより、油分や微細な微粒子がカップに落ちず、雑味の少ない味に仕上がるのです。
ペーパードリップの“抽出の流れ”を科学的に分解すると?
ドリップ抽出は「ろ過抽出(percolation)」と呼ばれ、水が粉の層を通過することで、成分を引き出す方式です。
重要なのは以下の3つ:
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接触時間:お湯と粉が触れている時間
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流速(flow rate):お湯が通過する速さ
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抽出率(extraction yield):粉から溶け出した成分の割合
一般的なペーパードリップ(中細挽き12g/200ml)の抽出率は 18〜22% が理想とされます。
そして、抽出に適した時間帯は 2分30秒〜3分30秒 ほど。これを超えると過抽出のリスクが高まります。
ペーパーならではの“優位点”とは?
① 微粉と油分のカット
フレンチプレスなどと違い、ペーパーは油分や微粒子をシャットアウトできるため、
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酸の透明感
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風味の明瞭さ において圧倒的な優位性があります。
② 流量コントロールがしやすい
ペーパーの底面には「出口」が1つしかないため、流速のコントロールがしやすい構造です。 つまり:
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注ぎ方=流速コントロール=抽出成分の調整 というわけです。
たとえば、ゆっくりと細く注ぐことで接触時間が増え、
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酸よりも甘みやコクの成分が多く抽出されやすくなります。
③ 適度なドーム構造が成分分布を均一化する
注湯により、粉の層はドーム状に膨らみます。この形状が、粉全体にお湯が均一に届くようにする自然な分配構造を生みます。
つまり、偏った抽出(チャネリング)を防ぎ、理想的なバランスの味に近づけやすいのです。
だからこそ「なぜ」がわかると、ドリップが変わる
バリスタを目指す方にとって、抽出を再現する技術はとても重要です。 でもそれ以上に、「なぜ今このスピードで注ぐのか?」「なぜこの温度で始めるのか?」という理解のある一手が、あなたの提供する一杯を支えてくれます。
ペーパードリップのシンプルな構造の中には、流体力学・熱力学・物理ろ過といった小さな理論が詰まっています。
これから一緒に、もっと深く学んでいきましょう☕
Written by Bean Scribe
コーヒーの魅力を探求し、焙煎から抽出、文化までその奥深い世界を発信するライター。
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