2025
03/22
なぜコーヒーの精製方法で味が変わるのか?風味を左右する3つの工程
Contents
- 1 なぜコーヒーの精製方法で風味が変わるのか? ── スペシャルティの裏側を知る
- 2 コーヒーの「精製」とは何か?
- 3
- 4 収穫後の「果実から種子を取り出す工程」
- 5
- 6
- 7 精製方法が“味”に直結する理由
- 8 代表的な3つの精製方法と風味の特徴
- 9
- 10 ウォッシュド(水洗式) ── クリアで明るい酸味
- 11
- 12 ナチュラル(非水洗式) ── フルーティで複雑
- 13
- 14 ハニープロセス ── 甘さとボディのバランス
- 15 精製が風味に影響する科学的な要素
- 16
- 17 発酵の時間と温度が与える変化
- 18
- 19 粘液質(ミューシレージ)と微生物の関係
- 20
- 21 乾燥の仕方が残す「香り」の鍵
- 22 なぜ国や農園で精製方法が異なるのか?
- 23
- 24 水資源・気候・標高・技術レベルの違い
- 25
- 26 マーケットの求める味と精製技術の関係性
- 27 スペシャルティコーヒーを選ぶとき、精製で味の方向性を読む
- 28
- 29 テイスティングノートと精製方法の相関
- 30
- 31 精製でコーヒーを選ぶ楽しさ
- 32 精製の違いを知ることが、コーヒーの個性を味わう第一歩
- 33 chouette 情報
なぜコーヒーの精製方法で風味が変わるのか?
── スペシャルティの裏側を知る
コーヒーの探求者 Beanです。
スペシャルティコーヒーを飲んでいて、「この甘さ、どこからくるんだろう?」と思ったことはありませんか?
実はその秘密、焙煎でも品種でもなく── 「精製方法」 にあるかもしれません。
今回は、ウォッシュド、ナチュラル、ハニーなど、生豆の精製方法が風味にどう影響するのか? を、科学的な視点も交えて深掘りしていきます。
コーヒーの「精製」とは何か?
収穫後の「果実から種子を取り出す工程」
コーヒーは果実──つまり“コーヒーチェリー”として収穫されます。
そのままでは飲めません。
中にある「種子=生豆」を取り出し、乾燥させて初めて焙煎が可能になります。
この果肉除去〜乾燥の工程全体を「精製」と呼びます。
精製方法が“味”に直結する理由
果肉をどう取り除くか、発酵はどのくらいの時間をかけるか、水を使うのか使わないのか──。
これらの選択によって、豆にどれだけ果肉の風味や糖分、発酵のニュアンスが残るかが変わるのです。
つまり、精製は「風味の設計図」と言っても過言ではありません。
代表的な3つの精製方法と風味の特徴
ウォッシュド(水洗式) ── クリアで明るい酸味
果肉を機械的に除去したあと、水で発酵・洗浄する方法です。
クリーンで雑味が少なく、酸味が際立つのが特徴。
エチオピアやケニアなどの高品質産地で多く使われています。
ナチュラル(非水洗式) ── フルーティで複雑
果実をそのまま乾燥させる方法。
乾燥中に果肉の糖分が種子に移り、ベリー系の香りや赤ワインのような風味を生むことも。
ブラジルやエチオピア南部で多く採用されています。
ハニープロセス ── 甘さとボディのバランス
果肉を除去したあと、粘液質(ミューシレージ)を一部残したまま乾燥させる方法。
ウォッシュドとナチュラルの中間で、程よい甘さ・酸味・ボディのバランスが魅力。
中米(コスタリカなど)で発展しました。
精製が風味に影響する科学的な要素
発酵の時間と温度が与える変化
発酵は、微生物(酵母や乳酸菌など)が果肉の糖を分解する過程。
温度・時間・湿度の管理によって、酸や香りの成分が大きく変化します。
たとえば長時間の発酵はフルーティさを強調し、短時間ならクリーンな風味を保ちやすいです。
粘液質(ミューシレージ)と微生物の関係
ナチュラルやハニープロセスでは、果肉の粘液質が種子に残ります。
そこに棲む微生物が風味を構築するため、乾燥中の環境や衛生状態も味に直結します。
まるで“微生物によるレシピ”とも言えるでしょう。
乾燥の仕方が残す「香り」の鍵
日陰か直射日光か、アフリカンベッドか地面か──乾燥工程ひとつとっても、揮発性の香気成分の保持率が変わることがわかっています。
特にスペシャルティでは、香りの鮮やかさや余韻が精製の丁寧さと直結します。
なぜ国や農園で精製方法が異なるのか?
水資源・気候・標高・技術レベルの違い
たとえば水が豊富なエチオピア高地ではウォッシュド、乾燥地のブラジルではナチュラルが適しているなど、自然条件に合わせた精製法が選ばれるのが基本です。
また設備や人材の影響も大きく、精製技術はその農園の“哲学”を反映します。
マーケットの求める味と精製技術の関係性
欧米市場では「クリーンカップ」重視のウォッシュドが根強い人気。
一方、近年はアジア市場を中心にナチュラルやハニーのような個性的な風味も評価されるように。
マーケットが求める味によって精製技術も進化しています。
スペシャルティコーヒーを選ぶとき、精製で味の方向性を読む
テイスティングノートと精製方法の相関
「ストロベリー」「白ワイン」「チョコレート」──こうしたフレーバーは、実は精製方法によるところが大きいのです。
テイスティングノートを見る際は、精製と照らし合わせて読むと納得感が変わります。
精製でコーヒーを選ぶ楽しさ
お気に入りの一杯に出会ったら、その精製方法をチェックしてみてください。
きっと自分の好みに合う精製傾向が見えてくるはず。
産地や品種だけでなく、「精製」で選ぶ時代がもう来ているのかもしれません。
精製の違いを知ることが、コーヒーの個性を味わう第一歩
コーヒーの精製方法は、単なる“処理工程”ではなく、風味の設計と発酵のアートです。
飲み手がそれを理解すれば、もっとコーヒーが面白くなる──。
次の一杯を飲むとき、ぜひ精製方法にも目を向けてみてください。
Written by Bean Scribe
コーヒーの魅力を探求し、焙煎から抽出、文化までその奥深い世界を発信するライター。
日々の一杯に込められたストーリーを届けます。
chouette 情報
代表 高山健二
・低温焙煎イノベーター
・シュエット トレファクチュール ラボラトワール 代表
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