chouette torréfacteur laboratoire

Blog

2025

06/26

コーヒー豆の品種図鑑|風味・特徴・選び方を知って一杯をもっと豊かに

コーヒー豆の品種図鑑──風味を決めるDNAの秘密

 
こんにちは、Beanです。

産地、精製、焙煎──どれもコーヒーの味わいに欠かせない要素ですが、もうひとつ忘れてはならないのが「品種(Varietal)」です。

 

品種とは、コーヒーの“遺伝子”とも言える存在。

ワインの世界で「ピノ・ノワール」「シャルドネ」と聞けば味のイメージが湧くように、コーヒーにも特徴ある品種が存在します。

 

今回は、代表的なアラビカ種の品種を中心に、それぞれの特徴や味わい、歴史を掘り下げてご紹介します。品種を知ることで、あなたの一杯がより豊かに、立体的に感じられるようになるはずです。

 
 
 
 

1. コーヒー品種とは?

 

 
コーヒーには大きく分けて「アラビカ種」「ロブスタ種(カネフォラ種)」「リベリカ種」の3種類がありますが、スペシャルティコーヒーの世界ではほとんどがアラビカ種です。

ここではアラビカ種の中での品種(バラエティ)に注目します。

品種によって、以下のような違いが生まれます:

  • 味わい(酸味・甘味・苦味・香り)

  • 樹勢(育ちやすさ、病害虫への耐性)

  • 樹高・実の大きさ・収穫時期

 

つまり、品種は「風味」と「生産性」の両面を左右する非常に重要なファクターなのです。

 
 
 
 

2. 代表的な品種とその特徴

 

 
ここでは、スペシャルティコーヒー市場でよく見かける代表的な品種を、まとめてご紹介します。

 

| ■ゲイシャ(Geisha)
主な産地:パナマ、エチオピア
味わいの特徴:ジャスミン、シトラス、ベルガモット、紅茶のような軽やかさ
備考:近年最も高値で取引される品種のひとつ。品評会でもよく登場します。

 

■ティピカ(Typica)
主な産地:中南米、カリブ海地域
味わいの特徴:バランスの良い酸味と甘味、滑らかな口当たり
備考:原種に近い品種で、多くの品種の祖先

 

■ブルボン(Bourbon)
主な産地:ルワンダ、ブルンジ、ブラジル
味わいの特徴:甘く丸みのあるボディ、柔らかな酸 備考:ティピカから派生した品種

 

■SL28 / SL34
主な産地:ケニア
味わいの特徴:ブラックカラント、柑橘、明るい酸と厚みのあるボディ
備考:スコット農業研究所(Scott Agricultural Labs)で開発

 

■カトゥーラ(Caturra)
主な産地:ブラジル、コロンビア
味わいの特徴:バランス型、軽めのボディ、比較的マイルドな酸味
備考:ブルボンの突然変異。低木で収穫効率が良い

 

■ムンドノーボ(Mundo Novo)
主な産地:ブラジル
味わいの特徴:ボディと甘さ重視、苦味が少し強め
備考:ティピカとブルボンの自然交配種

 

■カスティージョ(Castillo)
主な産地:コロンビア
味わいの特徴:クリーンでマイルドな味わい、酸は穏やか
備考:耐病性に優れた品種として近年拡大中

 

■マラゴジッペ(Maragogipe)
主な産地:ニカラグア、メキシコなど
味わいの特徴:非常に大きな豆、柔らかく軽めの味
備考:ティピカの突然変異。通称「エレファント・ビーンズ」

 

■パカマラ(Pacamara)
主な産地:エルサルバドルなど
味わいの特徴:トロピカルフルーツ系の明るい酸味と力強いボディ
備考:パカス×マラゴジッペの交配種。こちらも品評会でたびたび登場します。

 

 

3. 品種改良とその背景──なぜ新しい品種が必要?

 

 
近年、気候変動と病害虫の影響でコーヒー栽培は年々厳しくなっています。

特にアラビカ種は病害虫に弱く、**さび病(リーフラスト:葉に赤褐色の斑点ができ、光合成が妨げられる深刻な病気)ベリーボーラー(Coffee Berry Borer:コーヒーの果実に穴を開けて食害する小さな甲虫)**といった被害が頻発しています。

 

このため、近年では「高品質+耐病性」を兼ね備えたハイブリッド品種の開発が盛んに行われています:

  • カスティージョ(Castillo):コロンビアが国家プロジェクトで開発

  • ハシエンダス(H1 Hybrid):中米で実験的に導入中(H1は「ハイブリッド第1世代」の意)

  • F1種ハイブリッド:多様な遺伝子を掛け合わせ、持続可能な品種へ

このような品種改良は、生産者の未来と、消費者の味の体験を両立させる試みでもあります。

 
 
 
 

4. 飲み比べのススメ──品種を意識すると味が変わる?

 

 
たとえば、同じ国の豆でも品種が違えば、味わいは大きく変わります。

  • エルサルバドルのパカマラ:フルーツ系の華やかさと濃厚なボディ

  • 同国のブルボン:まろやかな甘さと穏やかな酸味

 

私も、あるカッピング会(※複数のコーヒーを並べて比較試飲するテイスティングイベント)で同農園の品種別の豆を飲み比べた経験があります。農園の場所によって(山の東側/南側等)品種を変えることで風味豊かなコーヒーを生育しやすいという利点があるそうです。知識があると、感動も深まります。

 
 
 
 

5. 品種選びのコツ──迷ったら?

 

 
初めて意識するなら、以下の3つから始めるのがおすすめです:

  • ゲイシャ:香りの強さと個性を体験

  • ティピカ or ブルボン:クラシックでバランスの取れた味を知る

  • SL28:果実味あふれる酸とボディの強さの両立を体験

自分の好みに近い品種が見つかれば、次は産地や精製方法を変えてさらに深く楽しむことができます。

 
 
 
 

6. まとめ──一粒の豆に広がる、味の遺伝子地図

 

 
品種を知ることは、コーヒーの風味の“源”を知ることでもあります。

土地、精製、焙煎と組み合わさることで、同じ品種でもまったく違った味を見せてくれます。

これからの一杯、ラベルの「Variety(品種)」に少し注目してみてください。

きっと、世界の広がりが変わるはずです。

 

 

Written by Bean Scribe

Bean Scribe

@beanscribe

 

コーヒーの魅力を探求し、焙煎から抽出、文化までその奥深い世界を発信するライター。
日々の一杯に込められたストーリーを届けます。

 

 

 

chouette 情報

 

 

chouette torréfacteur laboratoireを
ご紹介して頂きましたメディア情報
をご覧下さい。

代表の高山がNHKの番組でコメントした様子です。

【MEDIA

 

 

代表 高山健二

・低温焙煎イノベーター
・シュエット トレファクチュール ラボラトワール 代表

 

chouetteのコーヒーへの想いはConceptにてご覧頂けます。

Concept

 

シュエット公式LINEアカウントに友だち登録いただくと新商品や限定商品、お得な情報がLINEで届きます!
ぜひ、お友だち登録していただけませんか?
ご登録いただいた方には、お得なクーポンをプレゼントしています。
また、LINEアカウント内でCoffee診断ができるので自分好みのコーヒーを探してみましょう。

友だち追加

 

 

chouette クオリティ (コーヒー豆の品質保証)

・独自の低温焙煎

・焙煎後24時間は、18℃で休息

・コーヒー豆は真空パッケージでお届け

 

 

各ショップ情報(店舗名をクリックするとオンラインストアに飛びます)

【chouette torréfacteur laboratoire 】

常識に捉われず
人と素材にまっすぐと向き合い
自然と共に生きる価値を創造する。

 

 
 
 
chouette blanche, coffee

【chouette blanche 】

毎日の1杯で世界を笑顔にする
サブスクリプションコーヒーサービス

環境に配慮し、未来に繋ぐ私たちのフィロソフィー『コーヒー1杯の価値を変える。』

Online store: http://chouettetl.theshop.jp
Instagram: https://instagram.com/chouettecoffee_blanche

 

 

焙煎したコーヒー豆をお探しで、卸販売をご希望の方はWholesaleへ。

卸販売やシュエットをご利用頂いた方々については

Friendship storeからご確認いただけます。

【Wholesale】

【FRIENDSHIP STORE】

 

 

Top