2023
12/10
初心者コーヒー焙煎 コーヒー豆が”焦げる”,”苦い”上手くいかない理由
Contents
初心者
コーヒー
焙煎
コーヒー豆が
焦げる
苦い
上手くいかない理由
焦げる
苦い
上手くいかない理由
このブログを書いているのは冬です。
普段は浅煎りについて質問されることが多いのですが、今回は深煎りで失敗しないための方法をお話ししていきます。
シュエットではシェアロースター(Book Coffee Roaster)をやっているので、皆さんがどんなコーヒーを焼きたいのかよくわかるのです。
年に2回、必ず深煎りをチャレンジする人が多くなる時期があります。
それは、夏と冬。
夏場はアイスコーヒー用に
冬場は?寒さから?深煎りが恋しくなって
深煎りを焙煎する人が増えるのです。
そして、たいていが失敗していく・・・。
今回は、そんな失敗していった多くの人たちが、
なぜ失敗してしまったのか?
この理由を解説します。
深煎りにした時の
失敗例
焙煎における大きな失敗例として2つあげることができます。
それは、Under development と Over developmentです。
deveropment(デヴェロップメント)とは直訳すると発達・発展という意味。
コーヒーらしい風味が出てきたことを指して使います。
1ハゼ以降のことを指したりもします。
浅煎りでも深煎りでも狙った焙煎度合いで止められるかが勝負です。
なので、
生っぽい(浅すぎる)ものは Under development
焦げた(深すぎる)ものは Over development
となります。
お家で手網や鍋で焙煎されている方に多いのが、浅煎りが難しいから深煎りにしようとして失敗するという例です。
焙煎終了の目安が分からないので、失敗は仕方ありません。
ただ、最終的な基準がわからないまま闇雲に続けるのは気が遠くなります。
頑張ればいつかは偶然に良いタイミングがわかるかも知れません。
でもそれはただの偶然です。
上手くいくこともあるけど、毎回上手くいかないという方がほとんどなのですから。
なぜ、失敗してしまうのか?
あなたの知識や経験で焙煎の基準が確立されていないというのはあります。
でも、このブログではそんなことを責めたりはしません。
あなたが知らないのは当然の話で、私も初めは知らなかったのですから。
さあ、ここから学びましょう。
まず初めに知って欲しいことがあります。
深煎りのコーヒーを焙煎する上で、当たり前のようで誰も言ってくれないお話をします。
「私たちはコーヒーを深く焙煎したいのであって、決して焦がしたいのではありません。
もしも、深く焙煎すればするほど美味しくなるのであれば・・・
焙煎中の温度をひたすら上げて、真っ黒に、苦く、炭になるまで焙煎した方が良いに決まっています。
でも、そんな事はないってことはあなたにもわかるはずです。
素材のキャラクターを感じつつ
深煎りで感じられるコクや甘さがあるコーヒーを
私たちは焙煎したいのです。」
そのためには、焦がさないように加熱できるようにならなくてはなりません。
つまり、あなたが失敗していた理由は2つ
・加熱が足らず、浅く仕上がってしまった。
・加熱しすぎて、コーヒー豆を焦がしてしまった。
このどちらかになるのです。
焙煎に大切な3つの熱
焙煎における熱の伝わり方から理解しましょう。
・伝導熱(ドラムや鉄板と豆が接触する点から熱が伝わる)
フライパンをイメージしてもらうとわかりやすいですね。
餃子とフライパンの接している面だけが焼き色が付きます。
これはフライパンからの伝導熱によるものです。
・対流熱(熱せられた空気から熱をもらう)
コンベクションオーブンをイメージして下さい。
全体的に均一に熱を加えたい時に使います。
パンがしっかり膨らむのは対流熱を上手に使う必要があります。
生地を直接、火で焼いてしまったら膨らみはしますが表面が焼き固まってふっくらとは仕上がりません。
・輻射熱(電磁波が照射されて熱をもらう)
遠赤外線などの熱線によって伝わる熱のことで、太陽や機械から放出される熱は輻射熱になります。
輻射熱の特徴は熱線(電磁波)が何らかの物体に当たった際に熱が発生します。
電磁波のため空気に影響されず、冷たい風が吹く屋外でも熱が直接伝わります。
焙煎中であれば、ドラムが温められた時に生じる熱ということになります。
ストーブや床暖房をイメージしてもらえればわかりやすいかなと。
この3つが焙煎における基本となる伝熱です。
どれか一つだけということはなく、焙煎機や環境によっても変わりますが、それぞれの熱の割合を変えてコーヒー豆が加熱され、焙煎が進むのです。
伝導熱や輻射熱はコーヒー豆の表面へのアプローチになるので、しっかり撹拌してあげないと均一な焙煎が難しいです。
そして、失敗してしまう方に多いのがこの伝導熱と輻射熱が多い焙煎環境で焙煎していることが多いのです。
この2つの伝熱は、表面へアプローチしますから焦げやすいんです。
ムラも出やすい。
深煎りで失敗してしまう方が体験する失敗例
・焦がしてしまう。
・ムラが多くなる。
・生っぽくなってしまう。
これらは、伝導熱と輻射熱で表面だけが焼けてしまっている失敗の典型です。
焙煎を失敗しないために
焙煎中の3つの伝熱を理解したところで、何が成功と失敗の差を生んだのかわかりましたか?
正解は撹拌です。
・焙煎の後半は火を弱めましょう。
・1ハゼが起きたら火から離して弱火にしましょう。
・温度上昇を弱めながら焙煎しましょう。
・焦がさないようにより素早く混ぜましょう。
これらは焙煎後半の注意事項としてよく聞く注意点です。
全てにおいて、撹拌を強め、全体を均一に仕上げるための動作の意味が込められています。
火力を落とすのは、焦げないようにするためと攪拌によって均一に仕上げるためです。
火力を落とせば焙煎の進行が遅くなり、下手すれば止まってしまいます。
ちょうど良いバランスが大切になってきます。
ちなみに、しっかりと撹拌が行われている状態で対流熱を多く受けて焙煎されたコーヒーは温度が高くなっても焦げにくいということがわかっています。
家庭でもできること
焙煎中の熱の加え方としては全体的なバランスを考えないといけないのですが、今回のキモはなんといっても1ハゼ後の火加減と攪拌ということでしょう。
攪拌=よく振る
ということで、疲れますが頑張って休まず振り続けましょう。
時には反対の手も駆使して下さい。
また、伝導熱と輻射熱は焦げやすいので弱めてあげて焦げ付かないように注意深くコーヒー豆を見てあげて下さい。
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