2018
05/20
理想のエスプレッソのその先へ
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No.Zéro (ニュメロゼロ) は始まりのコーヒー
シュエットの看板商品であり、ファンの多いニュメロゼロ。シュエットのグランドオープン直前、すでにプレオープンでお客様にお試し頂いていた時にニュメロゼロは生まれました。
エスプレッソをメインのドリンクとしているシュエットでは、エスプレッソ用のコーヒー豆はミックスして焙煎することにしていました。試行錯誤しながら中南米から南米のブラジルやコロンビア、グアテマラといったブレンドです。いわゆる、お店のブレンドというものになります。
このコーヒー豆と決めずに、日替わりで作る事もしていました。毎日違う味わいのコーヒーが飲める事は、楽しい事だと思います。ですが、エスプレッソはシュエットの看板になる商品です。シュエットのコーヒーが飲みたいと来店されるお客様に、決まったお店の味わいを提供できないというジレンマもあります。
シュエットの看板になる商品として、魅力を最大限に伝える事ができるのはエスプレッソです。それはオープンから変わりません。
シングルオリジンのコーヒーを提供するショップが増えていますが、エスプレッソはブレンドを使用するというコーヒーショップは少なくありません。ブレンドでエスプレッソを提供する事で味わいが複雑になり、ふくよかなおいしさになります。ミルクとの相性も良くなり、たくさんのお客様に喜んでもらいやすいのも理解しています。それでも、私たちが伝えたい自然への敬意や素材の生命を頂く行為に対して感謝する心を伝えるためには、何かが足りないと心のどこかで感じていたのでしょう。
ミックスされたコーヒーも美味しかったのですが、たまたま仕入れたエチオピアのコーヒーをダークローストにする機会がありました。
このエチオピアのコーヒーをシュエットの低温焙煎で2ハゼが完全に終わるまで焙煎すると、今までに味わったことのない衝撃を受けました。なんとも複雑で華やかな香り、酸味と甘みのバランスが良い仕上がりに驚きました。初めはブレンドに使用するという単純な発想だったにも関わらず、コーヒー豆のポテンシャルに脱帽し、シングルでエスプレッソに使うことを決めました。
なぜ、エチオピアのコーヒー豆!?
ニュメロゼロで使用されるコーヒー豆は、エチオピアのナチュラルと呼ばれる精製方法で作られています。このコーヒー豆を選んだのには理由があります。
現代では、野菜や果物といった農作物や牛,豚,鶏といった畜産の世界では、品種改良によって環境に合わせた生産性の向上や味の追求が行われています。それは長い年月をかけて完成されるものであり、これからも必要不可欠で、現代の私たちの生活を支えています。
私たちが求めたものは、何百年も前から現代に生き続ける原型に近い素材です。そして、その素材を研ぎ澄ます事なく、味わい尽くす精製方法。
エチオピアやイエメンはコーヒーの起源となる土地です。
ナチュラルというのは、収穫したコーヒーの実を洗った後に、そのまま乾燥させる方法です。実から種(コーヒー豆)を先に脱穀して、水に漬けながらきれいに洗い流す精製方法の方がクリーンで雑味がないコーヒーができるのですが、雑味というコーヒーという果物がもともと持ち合わせている味わいを損なわないナチュラルを選びました。
中でも地場品種というその土地に根付いた品種を使う事で、より深く栄養を吸い上げる力強く生命力に溢れたコーヒーとなったのです。
たとえスペシャリティコーヒーの基準から外れても、スペシャリティ同等以上のおいしさがあることがシュエットのコーヒー豆の採用条件です。
このコーヒー豆との出会いは、必然だったのかもしれません。
私たちが探していたコーヒーを再現していたのですから。
オリジナルの名前を使う意味
一般的にコーヒー豆を販売するときは、生産国や農園、生産者の名前がコーヒー豆の名前になっています。シュエットでもニュメロゼロ以外のコーヒー豆は、そうやって販売しています。
私たちには、この焙煎されたコーヒー豆に特別な思い入れがあります。
農家さんから引き継いで、特別な焙煎で、私たちの想いを乗せた、お店の看板商品となる、エスプレッソマシンで抽出するために選ばれたコーヒー。
これからシュエットと一緒にあゆむ仲間として。
私たちは、このコーヒーを「N° 0(ニュメロゼロ)」と名付けました。
ドロップショットの誕生
ニュメロゼロを使う事でエスプレッソにも変化が起こりました。エスプレッソは1オンス(30ml)が通説です。抽出スピードも早く気圧を加える事でおいしさを圧搾するコーヒーです。
バリスタは常に、もっと良い方法はないか?もっとおいしくできないか?と考えています。エスプレッソよりシュエットらしく、もっと素材を感じられるコーヒーはないかと、コーヒーを学び始めていた頃から考えていました。
その答えは、料理人として修行をしていた頃にすでに学んでいました。素材に火を通す事で体が心地よく吸収できる状態にし、適切なアセゾネ(味付け)をする事でおいしさを最大限に引き出す。
同じことがエスプレッソに通用しないのか?
抽出時の圧力をコントロールし、時間をかけてゆっくりと絞り出したコーヒーの雫。
甘酸っぱくパワフルで濃縮された液体は、飲む人に衝撃を与えます。エスプレッソと呼ぶには似つかわしくない甘くとろりとしたドリンクになります。
このコーヒーは、「ドロップショット」と言います。
シュエットのシグネチャーコーヒーです。
メニューに載っていないのに人気ナンバーワン
ニュメロゼロは、コーヒー豆のメニューに載っていません。あえてメニューに載せていないのです。それは、ニュメロゼロを使ったコーヒーメニューが多いから。
おいしいと思っていただけたお客様が、コーヒー豆をご購入されるケースがほとんどです。エスプレッソ用に作り出されたコーヒーですが、シュエットは低温焙煎なので苦くなりません。
なので、ハンドドリップで抽出してもおいしく飲んで頂けるのです。これは嬉しい誤算でした。エスプレッソマシンがなくても、ご家庭でニュメロゼロをお楽しみ頂けるのは本当に嬉しいです。
シュエットのダークローストは、苦くなく酸味が残ります。コンフィチュールのように濃縮されたおいしさをご堪能ください。ミルクとの相性も良いので、ご家庭でコーヒーを淹れた時にお好みに応じてアレンジがしやすいのも魅力です。
全てはおいしいエスプレッソから始まった
おいしいエスプレッソを求めてコーヒー豆を探していたはずが、私たちの考えを表現できる素材との出会いで、私たちも学ばされました。
素材1つ1つによってアプローチ方法は変わるので、ルールを決めずにコーヒーとの対話をもっておいしいを探るようにしています。
日本から遠く離れたアフリカ大陸のエチオピアに住むコーヒー農家さんや収穫や精製・乾燥といった作業を手伝う労働者の方々。国外・国内で輸送に関わる人だけでなくエスプレッソマシンや焙煎機を作る専門的な職業の方々やコーヒーを注ぐカップを制作する方。
誰一人欠けても、ニュメロゼロもドロップショットも生まれませんでした。
私たちは、コーヒーのおいしさとともに命の大切さとそれを繋いだ人々の想いを届けます。
chouette 情報
代表 高山健二
・低温焙煎イノベーター
・シュエット トレファクチュール ラボラトワール 代表
chouetteのコーヒーへの想いはConceptにてご覧頂けます。
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chouette クオリティ (コーヒー豆の品質保証)
・独自の低温焙煎
・焙煎後24時間は、18℃で休息
・コーヒー豆は真空パッケージでお届け
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